2019年12月23日月曜日

交換留学生から見たUNC Part. 2

こんにちは、日本のMBAプログラムからの交換留学でUNCに来ている池田です。現在2年生で、この秋学期(4ヵ月)のみの滞在です。
 UNCについて話せる内容も少ないので、そもそもMBAを学ぼうか検討中の方向けの「①1年間MBAを学んでみて編」、どの学校にしようか検討中の方向けの「②ここがすごいよUNC編」、の2本立てで書きたいと思います(※①はただのぼやきなので、UNC情報だけ欲しい方は、②から読んで頂くととっても効率が良いです)。
 MBAを学ぶ機会、特にUNCで学ぶ機会の良さが、少しでも伝われば幸いです。

1年間MBAを学んでみて
 個人的な意見ですが、一番の収穫は「MBAを学ぶ」こと自体よりも、学びの質を高める「環境」と「時間」だったと思います。実は授業で学ぶセオリー・公式等はある程度ネットや本でカバーできると思う(実際、ファイナンスやストラテジー等で自分の学びが浅かった部分は、記事やケースをネットでおさらいしていました)ので、自分の状況や興味ある分野に応じて仕事の合間に方法論を学び、今の業務に活かしていくのも選択肢の一つだと思います。
 それでも自分が大学でMBAを学んで良かったと感じる点は、課題・目的に対する異なるアプローチを他人と擦り合わす機会、授業で他の人がどの点に関心や引っかかりを覚えるのかを直接見る機会を持てたことです。各人のバックグラウンド(文化、職種、業界)特有の考え方に触れ、自分の価値観の広がりや先入観の削ぎ落としが少し進んだように思います。かなりフワッとした内容ですが、実際の仕事ではチームや顧客などの他人が結局絡んでくるので、こうした感覚の有無でプロジェクトや商談の運び具合が変わる場面も少なくないのではないかなと思います。これが、「環境」の面でのメリットです。
 「時間」の面でのメリットは、多様な分野の知識・考えを統合しながらじっくり考えられる余裕です。例えば冒頭のように、仕事の合間で自分に必要な知識・セオリーのみ学んで活用しようと思うと、わりと方法論に注意が行きがちで、予算配賦をしてもらう工夫、組織間のしがらみ、運営組織が新しいやり方で動く下地が整っているか等の観点が疎かになってしまう(実は若い頃の自分)こともあり得ると思います。なので、戦略、マーケティング、財務、組織行動論などの違う分野でありながら、どれも企業活動には欠かせない着眼点を「短期間で集中的に吸収する時間」があることは、様々な影響を勘案しながら1つの会社判断を考えていく感覚を養うのに丁度良いように思います。
 あまり書くと数年後の自分が後で読み返して命に係わる火傷を負う気がするのでここで切り上げますが、1年過ごして良いなと思った点はそんなところです。自分は企業派遣なので、ファイナンスやマーケティング等の職能目線ではなく、全体最適目線での話ばかりになってしまいましたが、もちろん選択科目次第で興味ある職能分野に特化させた学習も可能で、実際そうした学生も多いです。現在MBAを検討中の皆さんに、少しでも参考になれば幸いです。

 書き始める前の参考にと、過去ブログを読むうちに、あることに気が付きました。「あれ、もしかして自分でUNCについて書くより過去記事の方がはるかにためになる…?」、と。自分が把握してなかった良い点が沢山触れられて、とても良い学校だなと改めて感じました。

↓ということで、過去記事をカテゴリー別にまとめましたので、皆さんの興味、知りたいことに応じてご活用下さい!!(注:文章書くのが面倒だった訳ではありません)

UNC生活!
→とりあえずUNC生活の概観をつかみたい、そんなあなたに
・アメリカ生活開始にあたって (http://uncmbajapan.blogspot.com/2019/04/tips.html)
Mod3までの授業を終えて (http://uncmbajapan.blogspot.com/2019/03/mod3.html)
・交換留学生からみたUNC (http://uncmbajapan.blogspot.com/2018/11/unc.html)
→生徒間の交流イベントやクラブ活動について知りたいあなたに
・団体対抗戦イベント (http://uncmbajapan.blogspot.com/2019/01/blog-post.html
・この他、学生&その家族誰でも参加OKの軽い立食パーティが毎週木曜にあります
→たまには息抜きしたいあなたに
・マイケル・ジョーダンの母校UNC() (http://uncmbajapan.blogspot.com/2019/02/uncpart1.html)
() ここがすごいよUNC ~part2~ は鋭意執筆中とのこと

■ユニークなUNCの学習・活動コンテンツ!
→授業以外の学びの機会が満載。授業だけじゃ満足できない、実践的な経験もしたいあなたに
→他学部/他大学の講義も学んでみたい底なしの好奇心・向上心を持つあなたに
・他学部・他大学の講義履修 (https://uncmbajapan.blogspot.com/2019/10/blog-post.html?m=1)
→交換留学制度について知りたいあなたに
IESE交換留学(http://uncmbajapan.blogspot.com/2019/05/blog-post.html

2019年12月18日水曜日

UNCにおけるヘルスケア分野について


こんにちは、Class of 2021SYです。前回の更新から間が開いてしまい申し訳ありません。。受験生の皆さんにとっては、これからが追い込みの時期かと思いますので、ぜひ最後まで諦めず頑張ってもらえればと思います!

今回はUNC Kenan-Flaglerの1つの特徴であるヘルスケアについて書いてみようと思います。ヘルスケアと一口にいっても製薬・医療機器産業から、医療機関経営、最新のテクノロジーを活用したスタートアップまで様々な業種・業態が含まれますが、UNCでは近年こうしたヘルスケア部門に対して力を入れており、また、concentration(自らで入学後選択できる、専門分野。詳しくはこちらの大学HP)の1つとしてヘルスケアが用意されています。大きな特徴を3つあげると、

専門的な授業
 ヘルスケアに特化した授業は多数ありますが、例えば以下のようなものがあります。
・The Challenge of Health Care(アメリカのヘルスケアを概観。UNCヘルスケアのコネを使って病院経営、保険会社、製薬などのスピーカーから話を聞ける)
・Healthcare Branding Plan(マーケティングの基礎やヘルスケアのビジネス環境を学んだ上で、実際の会社のbranding planを検討する)
 上記はヘルスケアに特化したelective(選択科目)ですが、coreと呼ばれる必修科目でもヘルスケアの事例は大変多く(例えばoperationの授業では、病院での手術やスタッフのオペレーション最適化事例を学ぶ)、ヘルスケア分野の注目度の高さを感じています。

②実際のヘルスケア企業との接点
 理論だけでなく、実際にヘルスケア企業と接する機会が多いのも大きな特徴です。例えば、Healthcare Consultingという授業では、4~5人のチームで、実際のヘルスケア企業に対してコンサルティングを行います。また、STARプログラム(STARについて、詳しくはこちら)においてもヘルスケア関連の企業に対するコンサルティングを毎年行っています(当方も医療保険会社とのプロジェクトに来年参加します)
 UNCから近いリサーチトライアングルエリアには、ヘルスケア関係のスタートアップ企業も集積しており、様々なタイプのヘルスケア企業にリーチすることができます。(上記のHealthcare Consultingでもスタートアップ企業へのコンサルを実施)
 上記以外にも、career trekやHealthcare clubが主催するconferenceなど、企業との接点はこれでもか、というくらいに用意されています。

③他学部との連携
 UNCの医学部、薬学部やMPH(公衆衛生)は、全米でもトップクラスであり、こうした他学部の知見を活用することもできます(他学部を聴講した上でMBAの単位としてカウントすることも可能)。また、STARでは、こうした他学部の学生も参加するため、ネットワークを広めることもできます(当方の参加するプロジェクトにも薬学部の学生がいます)。

このようにヘルスケアという観点だけでもたくさんの特徴があり、ヘルスケアビジネスに興味がある方には、UNCは本当にオススメです!!ヘルスケア関係でご質問等あればご連絡ください!