2022年7月5日火曜日

サマーインターンシップ(ヘルスケア関連スタートアップ)

Class of 2023のTMです。

今回は現在私が取り組んでいる地場のスタートアップでのインターンシップの内容や、まだ1か月以上ありますがこれまでのインターンシップ経験を振り返っての感想等についてご紹介させていただきます。

最初に、現在のインターンシップを実施するまでの背景・道のりについて触れたいと思います。UNC Kenan-FlaglerのMBAプログラムでは、2年生に進学する前までにインターンシップ等の就業経験を通じて知識やスキルを実践することが、大学側より求められております。同級生の中でも社費派遣の学生は人数的にもかなり限られており、ほとんどの同級生は私費で、インターンシップ後の正社員内定を目指してインターンシップに取り組んでいるケースがほとんどです。一方で、私は社費派遣であるため、インターンシップの目的は就職することではなく、入学後に学んだ知識を実践の場で活かすことや、米国企業の仕事の進め方を学ぶ等、”学び”の部分に重点を置くことになりました。

就業体験がMBAプログラムの卒業要件となったことから、入学後、インターンシップを実施する候補先の企業・団体のリサーチを勉強の合間を縫って進め、何社かインターンシップに応募はしてみたものの、インターンシップは正社員採用への重要なステップとのこともあり、採用基準が厳しい会社が多く、多少楽観視していた部分は否めないものの、インターンシップ先を確保出来ない日々が続きました。そのような中、夏休みが始まる直前の4月頃にMBA同級生がCEOとしてスタートアップを立ち上げた情報を入手し、同氏にアプローチしたところ、ギリギリのタイミングでなんとかインターンシップを確保するに至りました。

インターンシップ先はExstoBio社というスタートアップであり、同社は痛み、PTSD、がん、アルツハイマー病等の多くの症状で治療効果があるとされ、近年、世界的、特に米国で規制が見直されている大麻についての研究を行うバイオテック企業です。医療大麻業界は、2018年のFarm Billが成立される等規制緩和が進んでいることから、これから急速に成長が見込まれる業界とされており、ExstoBio社はそのような中にあって、今年にUNCのMBA生及び、薬理学Ph.Dによって設立されました。設立後、事業を軌道に乗せるために関係者との関係構築や、ビジネスプランのブラシュアップ等に取り組んできた経緯にあり、未だ収益を上げるまでには至っていませんが、規制緩和が進む医療大麻の大きなポテンシャルを信じて、Co-Foundersを含め、皆が高いモチベーションを持って日々取り組んでいます。

私のExstoBio社での役割は主に、“市場/顧客調査”、“VC調査・対象絞り込み”及び、“事業の収益モデル策定”となっており、直属の上司であるExstoBio社COOと連携し、主にリモートでパートタイムインターンシップに取り組んでいます。ExstoBio社では後塵を拝することのないように、一日も早く、同社が目指す科学的根拠に基づく治療を患者に提供することを当面の目標としており、私は現在、投資家へのプレゼンの際に使用する事業のプロジェクションの作成等を主に担当しています。

インターンシップ期間は5月下旬から8月上旬までの10週間であり、残すところ約1か月です。これまでのインターンシップを振り返って感じたこととしては、大企業と違いExstoBio社の社員は5名以下であるため、決まった決裁プロセスも存在せず、良い意見であればアイデアが即座に採用され、 “やってみよう”ということになります。この点は、ExstoBio社の業界に革新的なサービスを提供しようとする現在のポジションを考えてみると、メリットがデメリットを上回るように思います。ExstoBio社は業界内の動きが激しい医療大麻のような業界にあって、これまでにないコンセプトで挑もうとしているので、外部・内部環境の要因で素早い意思決定が出来る点は、大きなメリットのように思います。加えて、専門分野が異なるメンバー同士が自由に意見交換出来るExstoBio社の環境は、イノベーションという観点で利点が多いように思います。

私は医療のバックグラウンドは一切ありませんが、ExstoBio社でのインターンシップへの取り組みを通じて、米国の医療が進んでいると感じる場面が多いです。日本ではつい先日決まった政府の骨太方針で、大麻に関する制度の見直しや、医療を目的とした大麻の利用等に向けた環境整備を進めることが盛り込まれたようであり、今後、医療分野での活用が実現する可能性がある状況ですが、米国では既に医療目的での大麻使用を合法化している州がいくつもある等、治療を目的とした大麻は既に米国で普及しており、市場の高い成長が続いているので、ExstoBio社の市場の参入のタイミングは良いように思います。足元でも規制緩和の流れが続いており、このような変化にアンテナを張り巡らせることが重要であるとインターンシップを通じて学べた点は、個人的に大きいです。

インターンシップでは手探りで何かと非効率的な仕事しか出来ていないように感じる場面が多いですが、ExstoBio社がこれから大きな成功をおさめ、将来的にIPO出来ることに少しでも貢献出来たら嬉しいので、残りのインターンシップも頑張って取り組みたいと思います!

以上