2017年12月23日土曜日

交換留学に行ってきました。

どうも、ご無沙汰してます。Yukiです。今回は私が今年の秋冬学期に経験したスペインへの交換留学について少し書き綴りたいと思います。MBA留学中に別の大学へ交換留学を考えている皆さんの参考になれば幸いです。

【UNCの交換留学】
UNCは世界中に交換留学のための提携大学を持っており、毎年数十名のMBA生が他の大学へ四半期もしくは半期のあいだ留学します。交換留学先は各校に限られた枠しかないので、自分の行きたい留学先に100%行けるというわけではなく、一年次の成績、エッセイ、面接で総合的に判断され、留学先が決定します。第三希望までオフィスには伝えるのですが、私の場合は幸い第一希望のIESE Business Schoolに留学することが叶いました。その年の学生の趣向や大学のランキング動向にもよると思いますが、2年時の秋冬学期はまだ就職活動に勤しんでいる学生が多いので、比較的交換留学生の希望者が少ないようです。もし社費でMBA留学に来るような方であれば、競争率が比較的高くない秋冬学期の交換留学をお勧めします。


【選考について】
交換留学へのモチベーションは様々あると思いますが、私の場合はまず性格が飽きっぽいので、どうしても2年間同じ環境に身を置くと中だるみしてしまうのではないかという不安があったのが大きいです。また、具体的になぜスペインのMBAなのかについては、私の所属する会社がアメリカ南部の会社なので、従業員やお客様もヒスパニック系が多く、スペイン語を習得することは今後のキャリアとして有意義だと感じスペインにあるIESE Business Schoolを第一志望にしていました。
上記のようなことをエッセイにも書いていたのですが、面接で、「バルセロナの言語はカタランだけどいいの?」と面接官に聞かれたときにはじめて、スペイン語がバルセロナの主要な言語じゃないことを知り、かなり焦りました。実際のところカタルーニャ地方でもバルセロナくらいの大都市であれば、みんなスペイン語とカタランの両方話せることに住んでいて分かったので安心しましたが、ヨーロッパや南米など、しっかり調べないと実は自分の志望動機とマッチしない場合もあるので、交換留学アプライの前にしっかり調べることをお勧めします。


【ビザ手続き】
これはどこからどこへ渡航するかによって苦労の度合いが異なるようです。EU諸国への交換留学の場合、90日以内であればビザなしで渡航可能ですが、あいにく交換留学の期間が4か月なので、どうしてもビザが必要になります。ビザ取得は渡航の2か月前程度からしか受け付けてもらえないので、手続きに関しては結構ばたばたします。私の場合、渡航2か月前はインターンでNYにいて、ノースカロライナには帰ることができなかったため、すべてNYにあるスペイン大使館で手続きを行いました。中国からスペインに留学している子たちから聞いていた話だと、外国人のビザの手続きはすごく面倒で時間がかかると聞いていたので、私の場合も面倒なことになるかなと覚悟していたのですが、意外にそうでもなく拍子抜けでした。日本人がノースカロライナに留学しているのに、なぜNYでのスペインビザ申請なのかをサポートする資料などを準備しましたが、特に突っ込まれることもなく(むしろ読まれてすらいない?)すんなり受け入れられました。アメリカからヨーロッパへの短期留学ビザの手続きは案外スムーズにいくのかもしれません。


【生活セットアップ】
交換留学自体はは非常に良い経験だと思いますが、留学当初、苦労した生活のセットアップと同様の手続きをまたやらなければならないと思うと気が重かったのを思い出します。しかも、家、電気、ガス、水道、ケータイ、銀行口座等について、英語ならまだしもスペイン語、下手したらカタランで全て整えなければならないと思うと、渡航直前はかなりブルーな気持ちでした。基本的に怠惰な性格なので、なんとか面倒な手続きを省けないかと画策し、最終的にはFacebook上に既に出来上がっていたIESEの2年生のグループに、誰かルームシェアさせてくれるようにお願いする内容をポストしました。幸い、2年生数名で住んでいるマンションの一室に空きが出ていたのでそこを4か月借りることにしました。この方法であれば、ケータイと銀行口座以外はすべてセットアップ済みなのでかなり労力を省けます。しかも、2年生はすでに1年間スペインにいるのでスペイン語でのコミュニケーションもなんとかなる生徒も(すべての生徒ではないですが)多いです。ルームメイトの助けを借りてケータイ等のセットアップもスムーズに完了することができました。交換留学の際は、早めに上記のようなクラスメイト同士の物件を押さえるのが、労力をかけない最善の方法かと思います。


【IESEについて】
IESE Business Schoolは、FTのランキングでも毎年10位以内に入るヨーロッパ圏ではトップレベルのビジネススクールです。校舎はバルセロナの北側に聳える丘の中腹にあり、そこからの地中海とバルセロナの街並みの眺めは最高でした。クラス規模は一学年370人程度で、国籍は多様です。アメリカのビジネススクールに比べてヨーロッパの国々から来ている学生の割合がやはり多く、みんな数カ国が話せて当たり前ような環境だったので非常に刺激的でした。IESEは、スペイン語の授業を卒業のための単位の授業とは別に設けていて、4か月間で計30時間程度の授業を受けることになります。12段階のレベル別コースになっており、スペイン語初学者も基本レベルから授業を受けることができます。もしIESEに交換留学される場合は受講することをお勧めします。基本的にIESEの食堂の店員さんたちは英語が話せないので、そういったところのコミュニケーションでスペイン語を学ぶ良い機会が多くありました。余談ですが、その食堂には普通にビールが売っているので金曜日の授業後は校舎の前でビールを飲みながら談笑している学生が多くいて、スペインにいることを実感しました。







【IESEの授業】
IESEの授業はケースメソッドと呼ばれ、ハーバードと同じ手法を採用しているようです。授業の大半はケーススタディをベースに授業が展開されるので、生徒は授業の前にケースを読み込むことが要求されます。1年生から聞く話によると、1年次は席は指定で、毎日3つはケースを読まなければならず、クラスパーティシペーションのグレーディング割合が5割以上の授業も多いので、大変苦労するそうです。2年次のカリキュラムはそれほど大変ではないようですが、リクルーティング関連のイベントに割く日程が多いため、一日の平均授業は大体3つ程度と、UNCよりもややインテンシブなスケジュールになっていました。マーケティングやリーダーシップ関連の科目が豊富な印象を持ちましたが、UNCで当期の授業を受けている友人と話していると、カリキュラムの構成自体はアメリカのビジネススクールとさほど変わらない ようでした。また、IESEは毎週末にBoW(Bar of Week)というソーシャルが行われており、勉強に忙しい平日とは対照的に生徒同士の親睦深める良い機会になっています。


ある日のBoW


【まとめ】
総じて、私にとって交換留学はとても有意義でした。私のように純ドメで海外を経験したことがないような場合、ヨーロッパ圏とアメリカの文化や言語の違いについても多くを学ぶことができ、アメリカに対する客観的な知見を広げることができたと思います。また、幸い私の場合、昨年のアメリカでのトランプ政権の発足、今年はバルセロナでカタルーニャの独立運動、両方間近に触れることができ、それぞれの国民がどういった意見を持っているのかを授業を通じて聴く機会が多くあり非常に満足しています。2年という留学期間はとても長く、一か所で終わらせてしまうのはもったいないかもしれません。可能であれば留学期間中にまったく別の地域に交換留学してみるのはどうでしょうか。

交換留学生の日本人同士で