2013年1月30日水曜日

Module2 コア科目紹介 第四弾 Business Strategy

Module2 コア科目紹介 第四弾 Business Strategy

続きまして、Module2のコア科目:Business strategyについてご紹介致します。

Professor Chris Binghamが担当するこのクラスは、授業初日に教授がクラス全員の顔と名前を覚えてきているという驚きとともに始まります。1学年300人が4セクションに分かれて授業を受けたのですが、どのセクションでも1人づつ顔を見ながら名前をほぼ完璧に言い当てていきます。普段は斜に構えている生徒たちも驚きを隠せず、最後の1人が呼ばれた後には盛大な拍手が巻き起こり強烈なインパクトを与えてくれます。聞けば夏からカードの表に生徒一人ひとりの顔写真と裏に名前を書いたものを常に持ち歩き、時間があればそれをめくって覚えていたそうです。

そんなつかみはバッチリなクラスですが、授業はケースベースで進められ毎回ケース及び関係する記事のリーディングアサインメントが出され、ケースのライトアップを3回提出しなければならず、フレームワークを駆使してのケース分析をひたすら叩き込まれる日々でした。一方で、地域のNPOの代表者を数名集めて学生をグループに分けそれぞれの代表者の悩みを聞き、その場でアドバイスをさせたり、Linear Air(飛行機タクシー)のケースではディスカッションの後、おもむろにケースの主人公であるCEOとSkypeを繋ぎ、我々の意見をケースの当事者にぶつけてディスカッションをするといいう機会を与えてくれるなど授業にも工夫が見られ楽しむことができました。

MOD3に入り選択科目を受講できるようになり、興味のある授業を取り始めていますがConsulting Skills and Frameworksの教授は「オレはフレームワークの信者だ。適切なフレームワークに当てはめればどんな問題も解決の糸口を見つけることができる」と豪語するのに対し、Introduction to Entrepreneurshipの教授は「フレームワークなんかで分析してたら世の中のスタートアップの大半はボツになっていただろう。フレームワークなんかなんの役にも立たないね」と(冗談半分だと思いますが)それぞれの授業で主張を展開していたりして、見方が違うと色々と意見も違うもんだな、と思ったりしてます。
(Class of 2014 Satoshi)

2013年1月28日月曜日

Module2 コア科目紹介 Operations

続きましてコア第3弾、オペレーションをご紹介させて頂きます。

組織をいかに効率的に回していくかということは、どの企業のマネージャーも抱える悩みです。しかし、capacity utilization(稼働率)だけに目を向けてcustomer serviceなどその他の重要なcriteriaを排除することは、かならずしも組織が目指すgoalに向かっているとは言えません。このオペレーションのクラスでは、holding cost(在庫保管費用)とordering cost(発注費用)の和の最小値を求めるEOQ Model(経済発注モデル)や、正確な需要が定かで無く新聞の様に時間の経過と共に価値が大幅に劣化する商品の最適な在庫数量を求めるNewsvendor modelなどの様々なframeworkを学び、それぞれのpros/consを理解することで、目的達成への分析ツール、代替的アプローチの引き出しを増やすことが出来ました。


Prof. Gillandは、undergraduateでHarvard、MBA並びにPhDでStanfordを出ており、まさにUNC’s facultyの質の高さを象徴する様な人物です。名高い教授陣に限らず、UNCのコアクラスは、他の科目で取り扱ったケースの内容を、別の科目で再度違った視点から取り組んでみたりと、プログラム全体として計算し尽くされており、極めて質の高いものだと言えます。授業の進行と平行する形で、少人数グループで行う約1ヶ月のシュミレーション課題が与えられるのもこのオペレーションのクラスの特徴です。この課題では、工場の稼働率を下げリードタイムを減らすために機械を追加で購入してみたり、EOQ modelで弾き出した数字を元に、materialの発注数量を増やしてみたりと、自身で四苦八苦しながら疑似体験することで、新たな発見があったりもしました。

また、もちろんオペレーションのクラスでは我らが日本を代表するトヨタのケースも取り扱いました。トヨタ生産方式の2本柱(ジャストインタイム、自働化)とそれを成り立たせるツール(カンバン、アンドン etc.)への学びを通じて、「異常発生時には即座にラインを止めてでも、現地現物で問題解決・改善することが、結果として長期的視野での成功を生む」というトヨタの哲学を理解することができました。幸運にも、class of 2014の日本人同期の中に、まさにトヨタからの社費派遣のRがいたため、彼のリードの元教授と交渉し、日本人でToyota Production Systemに関するプレゼンをしました。(正確に言うとRのプレゼンをサポートさせて頂きました。)アメリカ人を初め、他の学生のリアクションは極めて良く、日本のプレゼンスをアピールする絶好の機会になった様に思います。 (class of 2014 S.K.)

2013年1月23日水曜日

Module2 コア科目紹介 第二弾 Marketing: Core Concepts and Tools

Professor Sridhar Balasubramanian (“Dr. B”)
Professor Isaac Dinner

マクロ経済に引き続き Module2(10/22-12/21)のコア科目:マーケティングについてご紹介します。

コア科目のマーケティングは、かなり広い分野を網羅します。基礎的なフレームワークをベースにして、心理学寄りな顧客のリサーチ手法、ミクロ経済寄りなプライシング戦略、その他ブランド戦略、イノベーションフレームワーク、最近ホットなデジタルマーケティング、グローバルマーケティング等々、科目名が示す通りありとあらゆるコンセプト/ツールをカバーしていく いわゆる導入編の授業です。(より深く学びたい人は選択科目をとってねといったイメージ。インターン向けインタビュー等のために最低限必要な理論や言語を使えるように理解しておくという目的もあるようです。)

授業の体系はレクチャー6割/ケース4割くらいでしょうか。レクチャーは1 Module 約2ヶ月、全15回(各80分)でこなすにはとても足りない範囲をかなりのスピードで進むので、私のように事前の知識のない人はついていくのは大変かと思います。とはいえ、ひとつひとつのフレームワークに必ずわかりやすいビジネス事例が加えられ、具体的なイメージがつかめるよう工夫されています。一方ケースは通期でHarvard Business Reviewを5本くらい読んだと思います。事前に読み込み、時間に余裕のあるときは簡単な計算なフレームワークをやって授業に臨みます。内3本は課題でレポートを提出しました。(2本は個人課題、1本はグループワーク。)また、これら以外にも授業当日に1ページ程度の簡単なケースを数分で読まされて、「はい、皆さんどう思う?」といった感じでディスカッションに入る場合もありました。

さて、これら課題を全ての学生が隈なくこなし、毎回皆積極的に議論に参加するか?というと正直そんなことはありません。Module2はその他授業の課題が多く、事前に読まなければならない資料の量も膨大。更に多くの学生がインターンに向けた就職活動、ボランティア活動、生徒会活動等、てんこ盛りな毎日ですので、かくいう私も事前にケースを読めず、できるだけ目立たない席に座って存在を消し、次の授業の課題をするといった日もありました。(汗)

そんな学生たちをどのようにモチベートして議論を盛り上げるか?教授の腕の見せ所です。今年は前半をIEビジネススクールから新たに加わったDinner教授、後半をAssociate Deanでもあり実質的に当校MBAの顔といっても過言ではないBalasubramanian教授 (誰も読めないので皆 単にDr. Bと呼びます)が教鞭をとったのですが、特にDr.Bの情熱には圧倒されるものがありました。キーワードは3つ。

①Commitment
週3回、特に私は全て朝8時からの授業。(因みに1学年約280名全員必修のCore授業は教授が4回に分けて全く同じ授業を行います。)当然生徒は眠い目をこすりながら時間ギリギリに教室に入ってきますが、Dr.Bは必ず15分前には一度来て、事前に 今日見せるビデオや例として紹介する会社のホームページなど全て事前にチェックし、授業中にすぐ紹介できるよう準備します。(授業の1分も無駄にしません。)また授業では説明しきれない細かい計算等は別途詳しい説明資料を準備されており、別途シェアされます。
②Energy
授業が始まるともう教室中が彼の世界。朝一とは思えない、暑苦しいほどにハイテンションなレクチャーが繰り広げられます。生徒から来る多少ずれた質問も本旨をとらえながらうまく答え、更に他の生徒からの参加を促しながら授業を展開していきます。
③Dedication
授業中にとどまらず、空いた時間にふらっと教授の部屋に寄ってもWelcome。授業の質問はもちろん、キャリアや学校全体に関する相談などにも熱心にのってくれます。ケースのレポート提出日前には必ず夜遅くまで学校に残り、生徒の質問などに対応します。

彼の授業に対する情熱に圧倒され、私を含む多くの学生が「授業への準備をより深くしよう」、「授業でもたくさん発言しよう」という気持ちさせるのだと思います。まさにリーダーの資質を行動で教えてくれる授業でもありました。

(Class of 2014 YY)




2013年1月22日火曜日

Module2 コア科目紹介(Macro Economics)

Class of 2014のHKです。1年次のコア科目はGeneral Managementやその後のElectivesのベースとなる重要なものです。そのため、今回からは先月で終了したModule2(10/22-12/21)のコア科目について順次ご紹介します。

(以下のページにも全体スケジュール等が載っておりますので、ご参照下さい。)http://public.kenan-flagler.unc.edu/mba/JapaneseApp/curriculum.html

Professor Mariano M. Croce
http://www.kenan-flagler.unc.edu/faculty/directory/finance/mariano-croce

マクロ経済担当のMaxは、NYUで博士課程を取り、WhartonやDukeでも教鞭をとりつつ、FRBやECBで金融政策の実務も経験した陽気なイタリアン。私は学部時代に経済専攻であったこともあり、正直授業の開始時点では新たな学びをそこまで期待していませんでした。しかしこの必ずしも万人受けしない講義形式のマクロ経済の授業において、Maxはそのコミカルなキャラクターを存分に活かし、最終的に少なくない生徒の興味を引き付けてしまいました。

当時はFEDがQE3(量的緩和政策第三弾)を発動するかが各種メディアでホットなテーマになっていました。そうした実際の経済で起こっているテーマを、理論と併せて論するのは非常に興味深いものでした。また、アルゼンチン出身のクラスメイトが自国の経済政策を紹介したり、我々日本人が3.11以降の日本の貿易収支の赤字の背景を説明したり、世界各国から集まるクラスメイトがそれぞれの付加価値を加えられるのもMBAの授業ならではの醍醐味でした。

授業のハイライトはスタディーグループのメンバーで取り組むGlobal AnalysisProject。各グループが一国を選び、授業で学んだ知識を生かしてマクロ経済のファンダメンタルズを分析し、プレゼンを行います。6人のグループメンバーで議論する過程でも新たな学びがあり、プロジェクト遂行のためのリーダーシップやチームワークを経験し、Logical Thinkingや効果的なプレゼンのDelivery方法を学ぶ複合的な機会にもなりました。また、我々のグループはNorwayを選択しましたが、仕事柄エネルギー業界との関わりが深いこともあり、このプロジェクトで同国への興味が一層深まりました。そのため、今夏にNorwayの提携校でのSummer Programに参加することを計画しています。

イタリア語訛りのMaxの英語に翻弄されて始まったこの授業でしたが、終わってみると多様な学びがあり、その後の興味が広がりました。チョイ悪親父Max、Grazie!

2013年1月13日日曜日

UNCのファミリービジネスに対する取り組み

Class of 2014 のSTです。受験生の皆さん、順調に準備は進んでいますか?この時期は、エッセイやインタビューの対策だけでなく、仕事も忙しくなる時期だと思いますが、限られた時間で納得の結果が出るようがんばってください。これまで日本人在校生がさまざまな観点からUNCの魅力について紹介してきましたが、私も自分が経験したことを元に、情報を提供したいと思います。

UNCの特徴の一つに、ファミリービジネスに対する取り組みがあげられます。昨年、info session に参加した際にも、admission の方が、「UNCにはFamily Enterprose Centerというユニークな研究機関があり、将来家業を継ぐ人にはぴったりのプログラムだ」と紹介していました。以下、私が入学して実際に体験したことや感じたことです。

1.アントレとファミリービジネスの区別
意外と見落とされがちなポイントだと思います。昨年他校も含めて学校選択のための情報収集をしていた際、多くの学校でこの2つが一緒にまとめられてしまっているなと感じました。私自身学生時代に休学して起業した経験がありますが、「創業者であること」と「後継者であること」の間には似ている部分も多いと思いますが、異なる部分もかなり多いと思います。その点UNCは、研究機関の名前が示している通り、ニッチな分野であるファミリービジネスにスポットライトを当てている、かなり貴重な学校なのではないかと思います。

2.授業
Family Business1 と Family Business2 という授業がMOD3とMOD4にelectiveとして提供されています。まだ受講したわけではありませんので、説明会やシラバスで情報を得ただけですが、実際に自分の家族と連絡を取り合ったりして、ビジネスプランや事業継承計画を作成し、クラスでディスカッションするようです。また、family member とのコミュニケーション不足が、事業継承の失敗につながるケースが多いようで、企業内における家族間のコミュニケーションについても学ぶそうです。かなり役に立つ授業なのではないかと思っています。

3.研究者の存在
そもそもニッチな分野であるファミリービジネスを研究している研究者というのも珍しい存在だと思います。私の聞いた話だと、週の半分はUNCで研究や教育活動に従事し、もう半分は実際にビジネスコンサルタントとして活動しているとのことでした。また、ファミリービジネスに対するコンサルティング経験も豊富に持っているようなので、授業だけでなく、何か相談したいことがあったときに、ひとつのリソースとして使えるのではないかと思います。

これから、実際に選択科目でFamily Business1を受講する予定なので、受講後に感想を皆さんとシェアしたいと思います。もし、ファミリービジネス出身者で学校選択に迷ったら、UNCを検討されてはどうでしょうか?リソースが充実しているだけでなく、クラスメートにもファミリービジネス出身者が多いため、ネットワーク構築の面からも非常によいのではないかと思います。

2013年1月7日月曜日

UNC MBA 日本人勉強会

Class of 2013のRTです。今回のブログでは私達UNC MBAの日本人1、2年生の間で月に一度行っている勉強会について、会の様子と私自身が参加を通して得たことについて書きます。

当勉強会はClass of 2012から始まりました。月に一度日本人学生の中から講師を決めて、その人の出身の業界や会社、職業ついて講義してもらいます。皆それぞれ異なる業界から学びに来ているので、様々な業界の動向や知見を学べるのは大きな付加価値となります。運営は私と1年生のMKさんが勉強会のオーガナイザーとなって会を実施しています。

今年(2013年度)は既にビジネスコンサルティング、事業会社、ガス業界出身の仲間が講師となりそれぞれの業界について講義してもらいました。ビジネススクールだけあって、当勉強会も一方向の講義ではなく、毎回ヒートアップした双方向のディスカッションが行われます。ビジネスコンサルティングの回では、「なぜ我々のような事業会社でビジネスコンサルタントを雇わなければならないのか?コンサルタントの付加価値は?」など一歩踏み込んだ質問が飛び交い、白熱した議論の末、毎回1時間の会のところ1時間半に延びてしまう程です。

昨年度から勉強会に講師・オーディエンスの両方で参加した経験から、私自身以下のような収穫・発見がありました。

● 様々な業種の動向や知見を学んで視野を広げることができる

学校の授業ではケースを多く扱い、そのケースで扱う企業やその業界について多く学び、ディスカッションが行われます。勉強会では主に日本の企業や業界(もしくは世界の市場における日本の位置)について話われるので、通常の授業とは異なる範囲・深さで学ぶことができます。「Aさんの企業ではこうしているのか。うちの会社ではこうだけどな」と日本の企業同士、業界同士を比較し易いところも勉強会ならではのメリットです。

● 議論やプレゼンの練習の場になる

学校の授業では勿論の事議論とプレゼンテーションは英語で行われるのに対し、勉強会では日本語で行われます。通常の授業や課外活動で特訓したプレゼンテーションや質疑応答のスキルを日本語で実践した場合どうなるか知っておきたいところです。多くの仲間がMBA後は日本に戻るので、仕事に復帰する前に勉強会の場で日本語でのプレゼンスキルや議論のスキルを今のうちに認識し、改善できるのは非常に貴重な機会です。

● 講師となる仲間の仕事に取り組む姿勢を知り、刺激を受ける

毎回講義は講師の経歴から始まります。多くの人が会社の業績低迷や転属など自分の思い通りにいかない時を過ごしており、そんな時彼らはどのように考えていたか、行動したかを聞くのはとても参考になります。仲間の経験を聞いて自らの経験に照らし合わせることは、MBA後の仕事の取り組み方にも大きく影響するのではないかと思います。

毎回、講師のプレゼンテーションの内容は素晴らしく、忙しい中準備してもらったことに感謝しています。勉強会は引き続き今年度の終わりまで毎月行っていく予定です。(来年度も引き続き実施されることを願っています。)参加者である講師とオーディエンスの両者にとって少しでも実りのある機会と思ってもらえるよう、運営側として工夫しながら会を実施していきます。UNCを訪問されるアプリカントの方々もスケジュールが合いましたら是非参加してみてください。