2013年9月24日火曜日

グループワークの現場から


初めまして、Class of 2015(1年生)Hokuです。8月上旬から始まるコアクラスから参加し、はや1か月半が経とうとしています。私はサマースクールに参加しなかったため、コアクラスの履修と生活のセットアップを同時に進めており、非常に慌ただしい日々を過ごしています。最近になってようやくクラスにも慣れ、生活のセットアップも落ち着いてきました。

今回は掲題の通り「グループワーク」について可能な限り詳細をレポートしたいと思います。グループワークを取り上げたのには二つの理由があります:

n  理由1. これぞMBAの神髄

レクチャー等を通して学ぶハードスキルはもちろん大切ですが、グループワークの経験を通じて得られるリーダーシップやチームワーク等のソフトスキルこそビジネスリーダーにとって必要不可欠なスキルであり、そのための最高の環境が整っているのがUNCMBAです。これを最大限に活用しない手はありません。

n  理由2. グループワークに対する不安

アプリカントの立場になってみると、よくMBAではグループワークを課されると言われているものの、その具体的なイメージを掴みにくいと思われることです。MBAのグループワークを通じて得られる経験に大きな期待がある一方で、「純ドメで英語にすら苦労する日本人が、国際色豊かで様々なバックグラウンドを持った他のMBA生とグループを組んで、時に協力し、時にぶつかり合い、様々な課題をこなしていく…ってそんなんホンマにできるんか??」という不安のほうが大きいというのが正直なところではないでしょうか(少なくとも私はそうでした)。そういった不安を少しでも払拭して頂く一助になればと、以下にその現場について詳細をレポートしつつ、純ドメ日本人がグループワークに貢献するためのTipsをいくつか紹介したいと思います。

UNCMBAにおいてはコアクラスが始まる直前に学校サイドから各人のバックグラウンド等を考慮して、それぞれ5人程度で構成されたチームを組むことになります。コアクラスで課されるグループワークはこの固定メンバー(スタディーグループ)で協力して取り組むことになります。以下、私のチームメンバーの紹介です:

n  AE(アメリカ人、女性)ヘルスケア出身。ビジネス経験はチームで最も少ないが、チームに貢献しようという気持ちは最も強い素敵な女性。
n  TM(アメリカ人、男性)元エンジニア。バランス感覚あり、チームのまとめ役的存在。
n  PP(インド系アメリカ人、男性)不動産出身。バスケとフットボールをこよなく愛するナイスガイ。時折キレのあるコメントをしてくれる。
n  VC(インド人、男性)元プログラマー。数字にかなり強く、分析時にかなり貢献してくれるが、議論のための議論をすることがたまにある。
n  HK(日本人、男性)一貫して証券会社のマーケット部門に従事。

今回取り扱うグループワークはコアクラスの一つであるミクロ経済学で実際に出された課題です。実在するアメリカ企業「Dollar Tree」(日本でいう100円ショップ)の過去10年分の財務諸表と投資レポートを読み込み、その収益とアメリカ経済指標(GDPCPI,失業率等)の推移を回帰分析し、最終的には収益に対して説得力のある需要関数を導出することです(他にも細かい設問があるが割愛)。財務諸表データと投資レポートのみ事前に与えられ、それ以外のデータはチームで探し出します。


提出期限3日前(金曜日):
課題が発表される。以前のグループワークでは準備不足のためチームに貢献できなかったことを思い出し、今度こそは貢献しようと準備に取り掛かろうと思う。が、明日がファイナンスの中間試験であることを思い出し、準備は試験後に行うことにする。チームメイトとも相談し、今日はファイナンスの試験準備に注力し、明日は各人が準備し、明後日に学校のスタディルームで全員集合して課題に取り組むことにする。
(余談ですがこのように試験や課題がよく重複するので、優先順位と時間配分に気を配ることが重要です)

提出期限2日前(土曜日):
土曜の朝からファイナンスの試験(3時間!)が終了。帰宅後一眠りしてから課題に取り組む。まず財務諸表と投資レポートを読み込む。次に実質GDPCPI、コアCPI、失業率、Nonfarm Payroll、人口動態等、思いつくままにデータを取得して、課題企業の収益成長率データを被説明変数としてエクセルで単回帰・重回帰分析する。チームメイトとLINEで連絡を取り合い進捗を確認するが、チームメイトは一つ試験が終了して飲み会ムードで進捗は無さそう…。
(ちなみに回帰分析については別の統計のクラスで学習済。このようにUNCのコアクラスにおいては教授陣が進捗状況について綿密に連絡を取り合っているため、あるクラスで学んだことが別のクラスで活かされるように設計されている。)

提出期限1日前(日曜日):
本日の夕方に学校でチームメイトとグループワークに取り組むが、明日はミクロ経済学のみならずアカウンティングとマネジメントの課題(これは個別課題)があったことを思い出し午後3時まで取り組む。その後買い物に出かけて、ミーティング直前に再びグループワークの課題に取り組む。昨日の回帰分析の結果をふまえて、最も企業収益と結びつきが強かった変数の組み合わせを決定。また、見栄えの数字が良くても根拠が薄い変数(たまたま結びつきが強く見える)は排除。これらについてしっかりとした根拠に基づいて説明できるまで考え抜き、ミーティングに臨む。

提出期限14時間前(午後6時):
一番にミーティングルームに到着。自分の分析をベースに議論を進めるために部屋に備え付けてあるスクリーンと自分のPCを接続しようとするがコネクターがマッチせず断念。自分の浅はかさに嫌気が差す(のちに学校のITヘルプデスクからコネクターを借りれることを知る)。
時間になり全員集合。まずは各人の準備状況の確認をする。課題企業の収益にインパクトを与える変数をマクロ経済統計から自分なりに見つけ出し、実際に分析をしてきたのは5人中TBと私のみ。あとの3人は財務諸表データと投資レポートを読んできた程度。AEから「私はエクセルが苦手だけどそれを克服したいので、皆のアイデアをベースに私がエクセルで分析してもよいかしら」と提案があったので皆で快諾。
(これもチームワークにおいて大事な点で、あるタスクについて得意な人がやったほうがチームとしては効率が良いのだが、各人は自分の苦手分野を克服しようとMBAに来ているので、例え非効率でもそういった意欲を尊重することも大事なチームワークの一環といえる。)

提出期限13時間半前(午後6時半):
私とTBが使用した変数(経済指標)を共有し、AEのパソコンで改めて回帰分析をおこなう。PPVCもその場でいろんな変数を思いつきで発表して分析に組み込もうとするが、早速意見が衝突する。PP「○○も分析に組み込もう」HK「いや、それは●●という理由であまり意味が無いと思う」TB「時間が無いのでデータ取得時間も考慮するとすべての変数を分析に組み込むのは非現実的だ」VC「じゃあ△△はどうだろうか」AE「それはいいデータだと思うけど、そんなデータどこで手に入るの?」HK「似たようなデータが米商務省から取れると思う」等々。
私は仕事でトレーディングを通じて米国経済統計を分析していた経験があったので、その定義や入手方法について誰よりも熟知していたことが幸いした。英語はつたないが、なんとか皆の意見のうち役立ちそうなものを取捨選択し、入手方法についても指示を出して手分けしてデータを集めることになる。

提出期限13時間前(午後7時):
AEが私とTBの分析をなぞっている一方で、PPVCも先ほどの議論の結果入手したデータを別途回帰分析に組み込む。なかにはうまく入手できないデータがあったので断念したものもあるが、結果はまずまず。なお、この過程でも指標の絶対値と変化値をどう組み込むかについて議論になっていた。

提出期限12時間半前(午後7時半):
次に分析の結果をふまえ、説明力の高い変数を取捨選択する。これは数字の大小で決めるだけなので特に揉めないが、説明力の高い変数が「しっかりとした根拠があり妥当である」か「因果関係が曖昧で偶然の数値」のどちらかについて意見が割れる。これは明確な答えがあるわけではないので、こうなるとアメリカ人もインド人も議論に強い。しかも議論がポンポン飛ぶので、私はだんだん皆が話す英語についていけなくなり焦り出す。仕方ないので私は自分が準備してきた変数についてだけはしっかりと意見を述べておく。皆の意見を見守っていると最終的にVCの意見が採用される。その意見をPPが補強し、TBがうまくまとめてくれた。

提出期限12時間前(午後8時):
議論開始から2時間が経とうとしていた。担当教授から「2時間以上議論すると課題を提出してもグレードはゼロにする」と脅しがあったので、焦りながらまとめ作業にはいる。最後にAEが分析結果をエクセルにまとめ、その根拠をワードにまとめる。また、これ以外にも細かい設問があったのでそれも皆で意見を出し合いなんとかまとめ、オンラインで課題を提出する。
皆すっかり疲れているがなんとか終えたので安堵感が広がる。私も前回よりはチームに貢献できたと思うので満足。しかしチームメイトはアカウンティングとマネジメントの課題をまだやっていないらしく、慌てて帰宅していった。私も翌日は朝8時からクラスがあるので帰宅する。

以上がグループワークの現場の一例です。すっかり長くなってしまいましたが、グループワークがどのように行われているのかについて少しは実感を持って頂けましたでしょうか。さて、最後に純ドメ日本人がグループワークに臨むにあたってのTipsを3つほど紹介してブログの締めとしたいと思います:

n  Tips1. 準備は完璧に

グループワークは課題がアナウンスされた直後から始まっています。語学において苦労する日本人でも、時間さえかければ分析はしっかりできます。課題をしっかり理解し、主張するべきことを明確にしておけば、ある程度ディスカッションが白熱しても理解できますし、場合によってはうまく議論をリードできます。上記のように準備をしてこない学生がいた場合はむしろ議論をリードできるチャンスとポジティブに捉えましょう。あと、意外とアメリカの学生はエクセルが苦手なので、事前にしっかりマスターしておくとかなり差別化を図れます。

n  Tips2. 分析を事前に共有

分析をしっかりしたら、それをベースに議論を進めることができるように事前に自分の分析をチームメイトに展開しましょう。更にミーティングルームでは自分のパソコンをスクリーンに繋げてしまえば、チームメイトは自分の分析をベースに議論を進めるしかありません。そうすれば英語で議論が白熱してついていけなくなっても、自分のパソコンにアウトプットを反映する必要があるため、結局チームメイトが噛み砕いて説明してくれます。

n  Tips3. 素直に「理解していない」と伝える

英語が早すぎてわからない時はわからないと正直に伝えましょう。UNCMBAに来ている大半の学生は「リーダーたるものチームをサポートするべきだ」というマインドセットを持っていますので、助けを求めると驚くほどサポートしてくれます。一方で助けを求めてばかりでは信用されませんので、こちらもしっかりと貢献できるところは貢献しておきましょう。私は語学で苦労するのは明白だったので、グループアサインメントが課された時は、誰よりも率先して取り組み、「貢献貯金」を積み立てるべく努力しています。事前に課題に取り組む姿勢はMBAにおいても素直に評価されます。

Class of 2015
Hoku

2013年9月2日月曜日

ソーシャルイベント “Around The World (留学生による自国紹介)” に参加して

連続の投稿になりますClass of 2015 (1年生)Hiroです。中間試験の合間ではありますが、皆様に我々1年生のチャペルヒルでの奮闘を知ってもらうべく、なるべく温かいうちにレポートさせて頂きます。

今回報告する”Around The World" は全ての一年生が参加する本MBAプログラム最初のビッグイベントで、留学生たちが自国の文化紹介を行い、それぞれの国をアピールしました。ASWⅡの3週間を準備期間として与えられ、我々Team Japanも「授業でなかなか発言できず、イマイチパッとしないからこそ、ここで一気にアピールするぞ」と一致団結し、ミーティングにミーティングを重ね、当日は見事に大成功を収めることができました。「日本のお祭」をテーマにブースでは奥様方の力を多大に借りた日本料理(巻き寿司、どら焼き、焼きそば)を振る舞い、他にも書道を実演そして体験もしてもらい、文字通り息つく暇もないほど大盛況でした。また、他の学生にも日本の祭を味わって欲しいという思いから、「スイカ割り- Watermelon Splitting-」を行い、イベント一番の大盛り上がりをみせました。話したことも無いアメリカ人多数から「お前らサイコーだったよ」と褒められ、Team Japanで徹底的に議論をし、準備をしてきて良かったなと思い、そして改めて日本の文化の良さを認識しました。

1年生とご家族の集合写真
スイカに果敢に挑むクラスメート
 
思えば1年前にはMBAに行けるか分からない状態でしたが、こうして自転車操業ではありながらもMBA生活を満喫していることを考えると、「あの時あきらめないで良かった」とつくづく思います。夏も終盤に差し掛かり、アプリカントの皆様も苦しい時期が続くと思いますが、目標に向けて一歩ずつ前進して下さい。我々で力になれることがあれば全力でサポート差し上げます。


Class of 2015
Hiro

Pre-MBAサマープログラム(ASWⅡ) に参加しました

初めまして、Class of 2015 (1年生)Hiroです。チャペルヒルに来て早くも2ヶ月が経ちました。生活のセットアップ、授業、ならびにクラスメートとの交流で目まぐるしくはありますが、非常に充実した日々を送っています。今回は表題の通りPre-MBAプログラムであるASWに参加した所感についてレポート致します。

学校はPre-MBAプログラムとして、同級生のMasaがレポートしてくれたASWhttp://uncmbajapan.blogspot.com/2013/07/asw-1.html)に引き続き、ASW2013年は78日~726日にわたって開催)を用意しています(詳しくはオフィシャルのホームページを参照下さい:(http://www.kenan-flagler.unc.edu/programs/mba/curriculum/pre-mba-summer-program)。ASWには50名程度の学生が参加しましたが、ASWにはClass of 2015入学者の約7割の180名の学生が参加し、またその約7割がアメリカ人であるため、授業も学生同士の会話も容赦の無い英語で行われ、本MBAプログラムさながらの緊張感を味合うことが出来ました(もちろん、本MBAプログラムがもっときついことは後になって思い知ります)。英語について、最初はずいぶん苦労しましたが私も必死だったため、振り返ってみて荒療治的に自分の語学力が伸びたのでは、と思っております(「アメリカ人が多いのか」と心配なさらないで下さい。むしろ彼らと仲良くなれる絶好のチャンスです!)。
 
ASW4科目、Analytical Tools(統計学), Financial Accounting(会計), Finance, Microeconomics(ミクロ経済学)の中から自分で好きな科目を選ぶことが出来ます。私は理系出身で会社でもR&Dしか経験したことが無かったことから、Analytical Toolsを除く全てを受講することにしました。私の1日のスケジュールは以下の通りでした。

       09:30 – 10:50  Finance
       11:00 – 12:20  Financial Accounting
              <Lunch>
       14:00 – 15:20  Microeconomics (月・水・金のみ。他2科目は毎日)
 ※その他就職活動のノウハウやExcelスキル、プレゼンテーション、
 更には留学生のためのアメリカ文化紹介等の授業が合間を縫って開講されていました

☆授業のクオリティが高い
私は今まで経済学も簿記も一切勉強したことがなかったので、「授業についていけるか」とかなり不安でしたが、いざ始まると心配を吹き飛ばす授業の面白さで、素直に勉強していて面白い!と思うことが出来ました。どの教授も実務経験が豊富であったり、企業の相談に乗っていたりするので、セオリーだけでなく、実際に経済で起こっていることに即して話してくれます(Financial Accounting では米小売最大手Wal-Martの財務諸表を参考にしながら授業を進めました)。Financeの授業を受けて、お恥ずかしい話ではありますが、「お金の現在価値の考え方」なんて今まで全く考えたこともなく、この概念を聞いたとき非常にショックを受け、お金に対する考え方が大きく変わりました(眠っている銀行預金をどう投資しようか)。また、学生の実務経験に基づいた意見も非常に面白く、教授との議論も白熱し、非常にダイナミックな授業で本当に寝ている暇がありません。


☆留学生へのケア
SWⅡの間、Tim Floodという教授が留学生向けにUS Language & Cultureという講義をしてくれます。この講義の目的は留学生が如何にアメリカのビジネススクール、更には就職活動で成功するかのために開かれており、純ドメでアメリカ生活を経験したことのなかった私にとって、非常にためになる話ばかりでした。トピックはネットワーキングの仕方、アメリカ人のタブー、会話を盛り上げる/切り上げる方法など多岐に渡り、特に印象に残っているトピックはアメリカ人と留学生(特にアジア人)のClass Participationに対するマインドの違いについてでした。留学生は語学のハンデもありますが、失敗を恐れる余り、授業での発言がなかなか出来ていないのが現状です。ところがTimはそんな我々を鼓舞するかのように、「アメリカ人だって的外れなことを言うこともある。でも彼らは失敗をすることを恐れない。アメリカではBeing confident is more important than being correctなんだよ」、そして「君らの英語は全く申し分ないし、数少ない留学生枠を勝ち取った君たちのそのタレントを如何なく授業で、学校で発揮して欲しい」と言ってくれました。彼の言葉は私の背中を押してくれる力強いものであり、今後も自分がUncomfortable Zoneに挑戦する時、心の中で唱えようと思っております。
 

 留学生の集合写真
 
以上、学問的な部分でも、文化的な部分でも非常にベネフィットが多いASWⅡでした。UNC Kenan-Flaglerの目玉プログラムの一つとして、学校側も強く奨めておりますので、学校選びの一助としてご参考頂ければ幸いです。


ASWⅡ最初のパーティー
 
Class of 2015
Hiro