こんにちは。Class Of 2018のHiroです。
いよいよ出願もピークに近づいてくるこの時期、スクール研究に取り組む中でこのブログを読んでくださっている方も多いのではないでしょうか?ということで、今回はUNC Kenan-Flagler Business Schoolの看板プログラムのひとつでもあるSTAR(Student Teams Achieving Results)を改めてご紹介します(http://www.kenan-flagler.unc.edu/leadership/star)。
【概要】
STARとは、ビジネススクールに所属する学部生とMBA学生がチームを組み、MODⅢ・Ⅳの約4か月間、クライアント企業からオファーされた課題に対してコンサルティングを行う、いわゆるHands-onのプロジェクトです。クライアントはamazonやESPNなどの米国の大手企業から、スタートアップ企業、地元企業、NPO、海外企業などと幅広く、彼らがビジネスを展開する場所やクライアントとの主たるコミュニケーションの手段によって、「USA」・「Global」・「Virtual」のカテゴリーに分けられます。学生は事前に登録を行う、関心のある業種やキャリア、クライアントのカテゴリーなどを踏まえ、学校側からプロジェクトにアサインされます。また、MBA学生はチームをまとめるプロジェクトリーダーに立候補することも可能です(選考あり)。
【特徴】
実践型のコンサルプロジェクトがカリキュラムに組み込まれているビジネススクールは多くあると思いますが、そんな中、STARの特徴として以下の点が挙げられるかと思います。
・少人数構成のチーム
通常、STARのチームは学部生とMBA学生の合計5,6人で構成されます。4か月間にわたるプロジェクトですので、自ずと密な人間関係を構築しながら活動することが求められます。人間関係が密な分、「チームとして如何に成熟度上げるか」や「癖のあるメンバーをどうコントロールするか」など、リアルなチームマネジメントの課題にも、その場しのぎではなく腰を据えて取り組んでいく必要があります。課題の大変さはクライアント企業によって異なりますが、週2回のミーティングで頭を働かせるだけではなく、調査やプレゼン資料作成などの個別作業も多いので、チームが少人数構成なことも相まって「やりがい」や「負担感」は大きい授業です。
・クライアントやスクールの本気度
STARに参画している企業は、コンサルティングフィーをUNCに支払っており、その金額は約$30,000とされています。企業規模によって金銭的負担の度合いは異なりますが、コネクションだけで授業に協力してくれているわけではなく、学生は相応の「成果」を求められるプレッシャーを受けることになります。また、学校側も教育機会としてのクオリティを上げるだけでなく、翌年度以降も継続してクライアントを獲得する必要があるため、STARに多くのリソースを割いています。チーム個別にコンサル経験のあるアドバイザーが付き、ミーティングでのアドバイスや1対1でのコーチングセッションを設けてくれるほか、プロジェクトを進めるうえで役立つフレームワークを学ぶConsulting Skills and Frameworkといった授業も別に開講されます。なお、こちらの授業もフレームワークを実際に使うケース課題が毎回課される、歯応えのある授業となっています。
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アドバイザーはコンサル業界経験25年+で、KFBSでも教鞭を取っているAlex(右から2番目) |
・学部生との混合チーム
UNCのビジネススクールに所属する学部生は非常に優秀で、ミーティングでの発言や調査、チーム運営などあらゆる場面でしっかりと貢献をしてくれます。一方で実際のビジネス経験はインターン程度しかないため、MBA学生達が大局を示したり、ある程度ステップやアウトプットの型を示したりしてあげることが、より効率的でクオリティの高いチーム活動を実現できるかの鍵となります。年齢的・能力的にも「部下」のような立場となる彼らを含め、チームを如何にマネジメントしていくかという課題は、MBA学生だけでチームを組む場合には得られないものであり、より現実のビジネスにも近い環境なのではないかと思います。
【プロジェクト例(Hiroのケース)】
私の所属したチームは、学部生3名、MBA4名からなる比較的大所帯の構成でした。クライアントは地元Chapel Hillで複数の ビジネスを展開するファミリー企業で、彼らが新規に立ち上げる洗車業のマーケティング戦略を立案するという課題に取り組みました。元々マーケティング関連のプロジェクトを志望しており、当初は少しズレを感じていた「ファミリー企業」という点も、カウンターパートが若社長であることによる意思決定の速さや、プロジェクトの自由度の高さといったメリットを多く発見でき、自分としては「当たり」のプロジェクトだったと感じています。
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最終プレゼン後にチームメンバー、アドバイザー、クライアントと |
プロジェクトは、1回目の顔合わせの際に「ターゲット顧客は車を運転する人全員」とクライアントが発言するほど、ストラテジーもマーケティングプランも固まっていない状態からのスタートだったため、ゼロベースでターゲット選定や実オペレーションを絡めたブランディング戦略、立ち上げからそれ以降のフェーズ別のマーケティングプランの立案を行いました。このように、「最初から最後まで」をじっくり考える機会は通常の授業のケーススタディやチームプロジェクトではなかなか得難いものかと思います。また、STARで推奨される「仮説検証型」のコンサルティング手法は自分としては初めて経験するものだったため、その進め方や効用を、身をもって経験できたのは良いテイクアウェイとなりました。ミーティングでは個人的な英語力の問題もあり、自分が普段日本語環境で取るような、ファシリテーターとして議論をリードしながらそれを刺激に自分のアイデアも出していくアプローチが難しいため、常に全体像を考えながら、論点の抜け漏れ有無の確認や別の視点からのアイデア出しでチームに貢献するよう心掛けました。自分のスタイルを変えつつ、チームへの新しい貢献方法を探るといった経験も貴重なものとなりました。
【まとめ】
このようにSTARはクオリティの高いHands-onなコンサルティングプロジェクトとして、UNC Kenan-Flagler Business Schoolのカリキュラムの目玉の一つとなっており、多くの日本人学生が履修を通じて経験値を上げています。アプリカントの皆様にも、ぜひ合格した暁には是非挑戦していただければと思います。
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