2012年11月11日日曜日

ケースコンペでの勝利と敗北

Class of 2014のKSです。

最近急激に寒くなってきました。今週サマータイムも終わり、季節の変わり目を実感しています。また火曜には大統領選挙があり、せっかくなので見逃しては損だと思い、大量のリーディング課題を一旦棚上げしてテレビに見入っていました。

さて、先週末にJohnson & Johnson社が主催するマーケティング・ケースコンペティションに日本人の仲間4人でチームを作って参加してきたので、それについて記します(当ブログでケースコンペの話題が多少重複していますが、それも感じることが多いがゆえということで、何卒ご容赦下さい)。

結果から言うと、わがチームは、UNC内のコンペにて見事勝利を収めることができました。そして、UNC代表チームとして翌日の他校との本戦に出場し、こちらは残念ながら敗れてしまいました。2日間のうちに勝利と敗北の両方を経験し、非常に得るものが大きかったです。

チームにマーケティングのバックグラウンドがない中、10月からのコアクラスで習ったばかりのフレームワークも活用しながらチームで議論を進めていきました。全員が家族持ちであったため、授業後に集まってさんざん議論をした後、一度帰宅して子供を風呂に入れるなどした後に、再度夜11時に学校に集合という日もありました。睡眠時間を削って家庭生活も多少(?)犠牲にしながらでしたが、自分たちにとって未知の領域に対して、脳をフル回転させながら議論を深めていく過程は、刺激多きものでした。

議論の甲斐もあって、提案内容やスライド自体は満足のいくものが完成し、CMのプロトタイプまで準備しました。ネイティブでないが故に最大の弱点と認識していたデリバリーについても、会場での立ち位置まで確認しながら何度も発表の練習をし、絶対勝つんだと相当気合が入っていました。その結果、当日のプレゼンは概ね練習どおりにいき、ある程度の手応えがありました。そして、夕方に事務局から優勝を知らせる"Congratulations!"のメールをもらったときは、思わず家の中でほえてしまいました。メールを見てほえたのはMBA受験の時以来です(笑)。

メンバーと喜びを分かちあい、すぐに翌朝の本戦に頭を切り替えました。本戦はMichigan、Kellogg、Cornell、Duke、UNCの5校での勝負となり、上位2位が表彰されます。ここまできて後悔するわけにはいかないということで、当日は気合の朝5時集合をしてプレゼンの練習とQ&Aへの準備に充てました。果たしてプレゼン本番を終えたわれわれは、・・・正直手応えを感じていました。デリバリーが前日よりも明らかに向上していたこと、Q&Aも想定通りの内容が多かったこと、審査員(J&J社)からかなりスペシフィックで現実的な観点での質問を受けて興味の強さが窺い知れたことなどをポジティブに感じていました。

プレゼン後に和やかな雰囲気の中でバンケットが開催されましたが、いよいよ結果発表の瞬間を迎えると会場は緊張に包まれました。同じテーブルにいた他校メンバーの手が本当に震えているのを見て、他校の代表もすさまじい気合でプライドをかけて勝負してきているのだと悟りました。結果は、1位Cornell、2位Michiganということで、惨敗でした。負けが分かった瞬間は、自分で想像していた以上に落胆が大きかったです。

直後はあまりに悔しくて敗因を冷静に考えられる状態ではありませんでしたが、その後チームで集まって振り返りを行いました。ロジックの立て方、プレゼンの構成、グループワークのアプローチ方法等、非常にたくさんの学びを得ることができました。特に強く感じたのは、自分たちで無意識のうちに限界・天井を作ってしまっていたという点です。お題の定義に基づいて議論の範囲を決めつけていたこと、きれいなプレゼンに拘って提案内容にスケール感が失われていたこと、さらに言うと、インターナショナルだからというだけでデリバリーに限界があると決めてしまっていたこと。やはり自分たちにやれることはもっともっとありました。

他方で、入賞した他校のチームには率直に敬意を感じ、何か地平が広がっていくようなワクワク感がありました。やっぱりこんなもんでは勝てない、大げさに言うとやっぱりアメリカのビジネススクールってすげぇなという感覚でした。もちろん前日の勝利とて、何かの幸運による部分があったはずです。スポーツでも何でもそうですが、負けて得るものの方が大きいことを改めて感じました。

勝つことの興奮と負けることの悔しさ。その両方を強烈な形で教えてくれた2日間でした。日本人はやれるという自信と、もっともっと成長しなければいけないという前向きな反省。ビジネススクールでの生活が始まってまだ4ヶ月ですが、もう4ヶ月。この日の経験と感情を、必ずや今後の成長に生かしていくことを自分に誓った、そんな土曜の夜でした。
 

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