2009年1月29日木曜日

“MBA Programs Go Green”

Class of 2010のU26です。

UNC Kenan-Flaglerの特色を語る上で外せないのがSustainable Enterpriseではないでしょうか?

近年でこそSustainability、Green technologyなどという一連の”環境キーワード”も頻繁に耳にするようになりましたが、数年前には「環境なんてビジネスにならない」という意見が大半だったでしょう。
そんな中でもUNC Kenan-Flaglerは1999年にSustainable Enterpriseのコースが設けられ、今年の9月で10周年を迎えるとのことです。Sustainable Enterpriseの定義自体は非常に曖昧で、「Sustainable Enterpriseって何?」と聞かれると答えに窮する人も多いかと思います。

Sustainable系の授業に出ると必ず耳にするのが"Triple Bottom Line"という言葉。つまり、UNC Kenan-Flaglerで意味するところのSustainable Enterpriseとは、Financial profitability, Ecological integrity, Social equityの3つの指標で成功の尺度を測るということなのです。

私自身、UNC Kenan-Flaglerを選んだ大きな理由の一つがSustainable Enterpriseでしたが、「利益を追求しつつも、テクノロジーを利用することで環境問題の解決を図ることは可能だ」と考えていましたので、UNC Kenan-Flaglerの考え方に賛同するところが非常に多かったのです。

現在Mod3で履修しているコースだけでも、Commercializing Emerging Science & Technology, Climate Change: Turning Up the Heat on Business, STAR Projectの3つで、その根底にTriple Bottom Lineの考え方があることを強く感じます。
Commercializing ~では、科学技術のシーズを如何にビジネスとして成功させるかを学ぶものですが、扱う技術はRenewable energyやClean technologyなど、社会・環境を意識したものが大半です。
Climate Changeはその名の通り気候変動を扱うクラスですが、単に「地球に優しいことをしましょうね」という美辞を並べるのではなく、企業が地球環境問題に取り組む中で、その活動を如何に次の事業機会に繋げるのかに話題を集中させています。
STAR Projectは非常にエキサイティングで、North Carolina州をパートナー(Biofuels Center of North Carolinaという州機関)に、「使用する10%の液体燃料を2017年までに州内で生産する(現在は100%州外・海外に依存)」という志高き目標のもと、Biofuel産業の立ち上げ戦略、事業計画などをチームメンバーとともに策定しています。この案件は来年、再来年、・・・のSTAR Projectでも継続される予定とのこと。これから3ヶ月間の取り組みはその足場作りに過ぎないかもしれませんが、8年後のNorth Carolinaがどのようになっているのか、非常に楽しみです。
このように、全てのクラスで社会貢献+利益追求という視点が定められている点は、これからのビジネスを考える上でとても勉強になっています。

先日のBusiness Week誌(On-line版)に面白い記事がありましたのでご紹介します。
"MBA Programs Go Green" http://www.businessweek.com/bschools/content/jan2009/bs20090119_936863.htm
という題でビジネススクールに起こりつつある変化を綴っています。ビジネススクールの質を測る指標が変わるとすれば、UNC Kenan-FlaglerがTop 10入りする日も近い?!なんて思わせてくれる記事でした。


Posted by U26

STARプロジェクト始まる!

Class of 2010のZi-coです。

ついにSTARプロジェクトが始まりました。STARプロジェクトとは、Student Teams Achieving Resultsの略で、地元企業からの依頼の元に、UNCの学生がチームを組み、コンサルティングを行うというプログラムです。(http://www.kenan-flagler.unc.edu/Leadership/Companies/StarOverview.cfm)学生は11月中旬に、志望動機と過去の経歴を添えて応募します。同時期に、地元企業もUNCにプログラム参加の応募を行います。その上で、STARプログラム担当者が、各自の過去の経歴とクライアント企業とのマッチングを考慮して、チームをアサインします。私は、エンジニア出身の2年生のリーダーの元、私を含む3名の1年生と、Undergraduate2名の合計6名のチームに参加しています。コンサルティング内容に関しては守秘義務のため、多くは申し上げられませんが、地元エネルギー企業に対して、新たなサービスのビジネスモデルを提案すると言うもので、現在マーケットリサーチをはじめとする各種リサーチの真っ只中です。

週一回のグループミーティングを通じて、各メンバーは割り当てられたタスクを報告し、さらにリーダーが新たなタスクを割り当てるといった感じで進んでいます。クライアントとの打ち合わせは、月1回で、最終的に4月末に成果報告を行います。また、これらのミーティングに加え、週に一度、各グループが一同に会し、コンサルティングの教授が、プロジェクトの有効な進め方について講義します。

これらのミーティングは、授業の合間に入ってくるので、少々ハードですが、何より実際のビジネスに関わることができるので、非常にエキサイティングな経験ができます。私の場合、日本の派遣元企業と同じ産業に関わることができていて、自身の会社の動向もチェックしながら、プロジェクトに携わっており、帰国後の仕事にも直接活かせるのではないかと期待しています。逆に、全く関わったことの無い産業に携わるのも、おもしろいと思います。対象企業としては、私のチームのクライアントのような比較的大きな企業から、起業したての社員1名のみといった企業まで、様々です。ただ、UNCの近くにはリサーチトライアングルパーク(http://www.rtp.org/main/)と呼ばれる研究施設が集まる地域があるため、最先端技術を商業化したいという企業が多く参加しているのはひとつの特徴ではないかと思います。そういった面から、元技術者やアントレ志向の方にも非常に魅力的なプログラムだと思います。

ちなみに、このSTAR、アメリカ国内企業に対するコンサルティングに加え、Global Business Projectと呼ばれる海外企業に対するプログラムもあり、クライアントとして日本企業も参加しています。アメリカ人とともに日本企業のコンサルティングを行うというのも、なかなか興味深いと思います。

私自身、STARプロジェクトがUNCの志望動機のひとつでもあったので、実際に理想的なプロジェクトに参加できて、非常に興奮しています。

(写真は、先日の大雪に埋もれた我が愛車2009Corollaであり、本文の内容とは一切関係ありません)

Posted by Zi-co

2009年1月24日土曜日

Marketing

class of 2010のMskyです。

MOD3が始まってはや2週間ですが、MOD2のコア科目「Marketing」について。

Marketingでは、Kotlerの名著“Marketing Management”を教科書に、マーケティング戦略の基礎となる、3C (company, competitor, customer)、STP (segmentation, targeting, positioning)、4P (product, price, place, promotion)の考え方を、ケース分析を交えて学びました。
実企業の製品・サービスの事例をふんだんに取り入れた授業は学生の参加も活発でまるでショーのようでした。ただ、この授業もまた予習や課題に膨大な労力が必要で、特に節目で課されるケースレポートの提出日は徹夜の連続でした。

私が最も感銘を受けたのは、C. K. Prahaladの提唱する途上国の貧困層(BOP :Bottom of Pyramid)をビジネスの対象とする考え。BOPは「①カネを持っていない、②市場が小さく捉えにくい、③テクノロジーとは無縁」という見方が支配的ですが、むしろ、「①相対的に高い支出を強いられており(=総体として購買力はある)、②都市の人口の半数近くは貧困層であり(=彼らを無視したビジネスはあり得ない)、③携帯端末などの普及率は高い(=テクノロジーに貪欲)」など、sustainable profitable growthにとってBOPは期待大という見方をしています。BOPビジネスに革新を起こす12原則(商品・サービスのカスタマイズ、スケール効果の享受、環境負荷の低減、プロセス革新、啓発活動、等)やその例(貧困層をグループ化して貸付けをするmicro financing、コスト$30で義足を作るJaipur Foot、眼科外科手術を“McDonald並”にマニュアル化したAravind Eye Hospital、必要な量だけ個装販売するmicro-packaging、等)を学び、目から鱗が落ちる思いでした。
“The Fortune at the Bottom of the Pyramid”, C. K. Prahalad(和訳)

授業では取り上げられませんでしたが、Tata自動車のNanoについて。28万円(10万ルピー)という販売価格で2008年初に話題になりましたが、仕様を落とし利益も度外視した価格も、日本とインドの世帯年間所得差(中央値*で460万円vs.24万円(9万ルピー)と20倍近い開き)のため、インドの平均的*世帯にとっては500万円超に感じるはずです。仮に、富裕層・中間層~貧困層の間の需要をある程度取り込めたとしても、交通事故・渋滞、大気汚染、燃料の高騰・枯渇など、環境面で深刻な問題を引き起こすのは明らか。Ratan Tata会長の“People's Car”実現への熱い思いには共感するものの、それほど“革新的”とは言えないかもしれません。

* この場合、平均値ではなく中央値を使うのが適切と考えた(前者は家計総体の平均、後者は代表的な家計の抽出)。


Sridhar Balasubramanian教授(通称“Dr. B”)はインド出身のバイタリティあふれるfacultyです。いかりや長介氏を思わせる“Hi, folks. Good morning! … again, GOOD MORNING!!”という授業冒頭の挨拶は、インドのSales manager時代の癖かもしれません。
Sridhar Balasubramanian氏 Faculty Directory

Posted by Msky

2009年1月23日金曜日

新しい時代へ



オバマ氏の就任演説が日本でも深夜に関わらずとても高い視聴率だったみたいですね。日本でも話題になっているとは知りませんでした。ここアメリカではもちろんとても関心が高く、多くの人が演説に注目していました

私も何を言うか楽しみにテレビを見ていたのですが、演説は比較的平凡だったような印象です。2004年の民主党大会アイオワの勝利宣言等に比べると、メッセージ性もデリバリーもに感じました。ひょっとするとあえて抑えめの演説にしたのかもしれません。確かに選挙が終了し、支持率も異常に高くなっている現状では私たち民衆をこれ以上熱狂させる必要はないわけですから。経済でも政治でも難題の多い新政権のスタートですが、彼のリーダーシップでアメリカと世界が良くなることを期待します。
そんなことを考えながら昨年の選挙戦のことを思い出しました。クリントンと民主党代表の座を争った際、オバマ氏はUNCにも来て演説をしました。家から徒歩5分のところに将来の大統領がやってくると聞き私も見に行きました。感じたのは彼の圧倒的な存在感。これは天性のものなのでしょうか、後から習得したものなのでしょうか。オバマ氏に限らず概してアメリカ人はスピーチが上手です。これは主に教育に寄るところが多いと言われます。UNCでもリーダーシップやコミュニケーションについて様々な授業が開講されています。私も習った概念をしっかりと身につけ、周りを惹きつけられる存在になりたいと思いました。

ピーター

2009年1月20日火曜日

キャンパスビジット体験記 Evans2010編

Class of 2010のEvans2010です。

時期的にアプリカントの方々のキャンパスビジットが本格化する時期になってきましたので、本日は私の昨年のキャンパスビジット体験記をご紹介したいと思います。

私は3rdラウンド(昨年は1/4DLでした。)で出願し、2月中旬にキャンパスを訪れました。基本的にはインタビューが主な目的でしたが、もちろん折角の機会なのでクラスビジット、キャンパスツアー、在校生とのランチに加え、日本人在校生の方々と夕食をご一緒したり、アパートをご案内していただいたりしました。
ちょうど私がビジットした日には、たまたまclass of 2009の日本人在校生の方々が勢ぞろいしてイベントの打ち合わせをしていたので、その打ち合わせにお邪魔させていただいて現2年生全員にお会いする機会もあったりしました。

詳細の時間割はちょっと忘れてしまいましたが、私の場合は、インタビュー→クラスビジット→ランチ→ビルディングツアーの流れだったように記憶しています。
インタビューやクラスビジットはオンラインで予約できるようになっており、人によって順番は異なります。

まず、当日ビジネススクールに到着したら、MBAのアドミッションオフィス(McCollビル正面玄関から入って、突き当りの階段手前を右に曲がるとあります。)でチェックインします。インタビューやクラスビジットの間の空き時間などはこのアドミッションオフィスのラウンジスペースで待機するのですが、Student Ambassadorが入れ替わり立ち代り入ってきて話し相手になってくれ、クラスビジットやランチのアテンドなどもしてくれます。基本的にはAmbassadorはアメリカ人が多いですが、インターナショナルの生徒もいます。英語に不安のある方などもいらっしゃると思いますが、警戒する必要はありません(笑)なんせ、私たちの同級生なのですから。いいヤツばかりで、英語が下手でも全く問題ありません。

まず、インタビューですが、私の場合は非常にオーソドックスなものでした。Why MBA? Why UNC? レジュメの説明、Career goals などド定番のものに加え、定番のリーダーシップやチームワークなどに関する質問があったと記憶しています。雰囲気も非常に和やかな感じで、緊張感を感じつつもリラックスして望めました。

クラスビジットはFundamental Principles of Corporate Financeという1年生対象のelectiveの授業に参加しました。授業の冒頭で教授より「ウェルカム」みたいなお言葉があり、「来年この教室でまた会えるのを楽しみにしてるよ。」と教授が言っていたのを鮮明に覚えているのですが、実はこの授業、今まさに履修している授業でして(もちろん同じ教授)、授業の開始時にはとても感傷的な気持ちになったものです。帰ってきたぜ!みたいな。
とても面白い先生で授業の雰囲気がとてもいいなと感じたのですが、実際履修してみて、ビジットした時の雰囲気そのままです(笑)

ランチでは、在校生からざっくばらんな話が聞けると思います。私はハンバーガーとチリビーンズを頼んだのですが、チリビーンズをスーツに思いっきりひっくり返してしまってえらいことになってしまいました!その日の残りのスケジュールを全てチリビーンズまみれのスーツで過ごした訳です。。。まわりのみんなからは、インタビューが終わってて良かったね!と慰めになってるようななってないような微妙なお気遣いをもらいましたが、あの暖かいチリビーンズの感触は今でも忘れられません(笑) 今でもチリビーンズを見る度に思い出します。

ビルディングツアーはその名の通りKFBSの建物の中を在校生が案内してくれます。大型フラットディスプレイパネルが各部屋に設置されたスタディールームも案内があると思いますが、実際の在校生のチーム作業の現場が垣間見れると思います。

一通り終わったあとは、日本人在校生の方のご案内でキャンパス全体を見せていただいたり、アパートにお邪魔させていただいたりしました。そして夕食も。

どこのスクールでもそうですが、やはりビジットしてみないと実際の雰囲気や自分とのフィット感というのは分からないものです。
お仕事などの都合で大変かと思いますが、もしチャンスがあれば是非チャペルヒルまでお越し下さい!
Dukeからも車で20-30分位なので、ついで訪問もウェルカムです。

学校が提供するビジットプログラムに加え、日本人在校生の方でインタビュー対策を兼ねた(?)ビジット前日ディナーや、その他町やアパートのご案内などもさせていただきますので、ご希望の方は日本人HP(右記リンクあり)よりお問い合わせ下さい。

在校生一同、アプリカントの皆様のビジットを心より楽しみにしています!

Posted by Evans2010

ノースカロライナは雪

Class of 2009 M男です。

昨日夜ついにチャペルヒルに戻りました。東京での1ヶ月以上にわたる就職活動、正直しんどかったですが後悔のない活動をできたように思います。

時差ぼけが抜けず朝4時に目が覚め、授業の遅れを取り戻そうと学校に出かけると雪!今シーズン2度目、積もるのは初。東京もいい加減寒くなってきたなと思い、暖かいチャペルヒルを期待して戻ってきたのに雪です!!





就職活動はというと、約1ヶ月で12社(東京・大阪)を訪れ、40人以上の方とお会いし面接、その他にもOB訪問したりとかなりハードスケジュールでした。
友人や家族宅を泊まり歩いていたため家の鍵をなくしたり、ウィルス性の胃腸炎?風邪?にかかり、一時帰国で保険証もないので病院にもかかれず2日間市販の薬と栄養剤だけで寝込んだり、トラブル続き・・・

いろんな業界をみてまわる最後の機会と思い、事業会社の財務・経営企画、コンサルティングファーム(戦略・会計・M&A)など多岐に渡る会社に応募してきました。
やはり景気の影響が各社あるようで、採用計画が全く立たないので、卒業(5月)後の入社に対するオファーを今出せないとはっきりおっしゃる面接担当者もいらっしゃいました。
結局、UNC入学前のキャリアである事業会社財務での仕事を今後も続けることにしたのですが、コンサルの方とお会いしいろいろ話せたことはいい勉強になったように思います。

コンサル応募に当たって、お世話になったのがムービン・ストラテジック・キャリア(http://www.movin.co.jp/)です。コンサル出身のキャリアコンサルタントが、応募のイロハを教えてくれます。コンサル独特のケース対策などもお手伝いいただけ、蓄積されたノウハウを感じました。MBAに進学予定の私費の方々は、合格から渡米までの時間を使ってこのような就職エージェントを廻って情報収集をしておくことをお勧めいたします。

MBAの就職活動も様変わりしています。厳しい環境であることには間違えありません。ただ、自分のキャリアゴールをよく考え、MBAがどのように現在のキャリアとキャリアゴールのギャップを埋めてくれるかじっくり考えておくと、就職活動でも大きな迷いは生じないと思います。

2009年1月16日金曜日

UNC Collection

Class of 2010 の *涼です。

以前、Evansさんの投稿にありましたように、UNCは大学グッズの売り上げで
名高い(?)スクールになります。Student Storeではもちろんのこと、
スーパーや、空港でもUNCグッズが売られているのを見ることができます。
実はこのグッズ、一度手を出すと悪いことについついあれもこれもと
買い集めてしまう中毒性の高いものなのです。。
そこで今回は、この半年で私が集めたグッズの中でも、
自慢の品々(ようは個人的趣味に走ったもの)をご紹介したいと思います!


まずは、以前もご紹介しましたUNCベア。
なんとパーカーを着ています!











そして、UNCシロクマ。ドイツのシロクマを思い起こさせるそのラブリーな姿に、即お買い上げ。なんとたったの$13.95!

こちらは、KFBSの羊。UNCのマスコットは羊なのですが、KFBS版はとってもレアです!同期のEvansさん、Mskyさん、アメリカ人の友達、私の4人お揃いで共同購入。


チアのユニフォーム。一体いつ着るんだ?!という声が聞こえてきそうですが、お察しのとおり今のところ着る予定はありません。。



ブレスレット。チアのユニフォームとお揃いだとカワイイかな、、と思って深い考えなしに買いました。。。











最後はペッツキャンディーのケース、アメフトのボールをかたどっています。これは唯一、学校ではなくスーパーで買いました。ペッツ好きにはたまらない、実用性も兼ね備えた優れた一品。

グッズ収集は強い愛校心の現われです。
アプリカントの皆さん、UNCで一緒にユニークなグッズを集めましょう!

Posted by *涼

2009年1月10日土曜日

On-campus寮 Baity Hill

Class of 2010のU26です。

Class of 2011の合格者がそろそろ出てくる時期になりましたので、住居の話を一つ。

進学先を決めるにあたって重視したことの一つに住環境がありました。家族が住みやすい安全な環境か?コミュニティの結びつきは強いか?等です。UNCを選ぶことで安全、強いコミュニティは必然的に得られるでしょう。私にとってもう一つ大きなこと、それは$$$でした。

現在、On-campus寮のBaity Hillには2年生3名と私を含む計4人の日本人学生が住んでいます。昨年から“家族持ちの学生のみ居住可”とするルールが出来てしまったため、単身の学生が入居できないという問題が生じましたが、環境、コスト、通学の利便性という点で非常に魅力的ですので、UNCを検討中の受験生の皆様に是非プロモーションをしたいと思います。


住環境:Baity Hill Officeが小高い丘の上にそびえ立ち、それを囲むように1600, 1700, 1800, 1900, 2000の5棟が並んでいます。また、ビジネススクールの外周にあたるMason Farm Rd.沿いに1351, 1401, 1501の3棟が、少し離れたところに1101があります。1600~2000の5棟は規模が大きく、1棟あたり約70世帯が住んでいるといったところでしょうか。2005年に新築されたばかりですので、建物、部屋ともに申し分なく綺麗です。住人は全てUNCのGraduate School(ビジネススクールに限らない)に通う学生の家族、あるいはUNC Hospitalの職員(PhD?)の家族のようです。敷地の一角には小さな公園もあり、日差しの弱くなった夕方頃になると子供を連れた奥様方が井戸端会議を開いていますので、奥様方の友達作りにも事欠きません。Baity Hill Officeには、Grillスペースがある他、Office内のリビング(TV、ソファー、キッチン有り)を一晩$30で借りることの出来るサービスもあり、大勢の友人とパーティを開くにはもってこいです。そんなわけで、環境面では申し分ないのですが、唯一の欠点と言えばスーパーまでやや距離があるところでしょう。最寄のスーパーは車で3km弱。ビジネススクールの学生が大勢すむSouthern Village, Alta Springs, Medowmontでは徒歩圏内(Altaはやや距離あり)にあることと比べればやや不便かも知れません。運転を苦にしない奥様だと何ら問題ないかもしれませんが。

コスト:圧倒的な安さです。1bed-1bath(724, 768 sq. feet)で各$794, $810、2bed-1bath(918, 954 sq. feet)で各$857, $873、2bed-2bath(1060 sq. feet)で$894 per month。しかも水道、電気、ケーブルTV、インターネット、電話(市内通話と受信は無料)込みです。私は妻と息子(1歳半)の3人暮らしで2bed-1bath(954 sq. feet)に住んでいますが、広さは十分です。

通学利便性:遠いところで徒歩7分、近い建物では徒歩3分で教室にたどりつきます。そのせいか、授業にぎりぎり駆け込んでくるのはBaity Hillの住人ばかり・・・。カープールを組まないため、カープールメンバーと仲良くなる機会を一つ逃してしまいますが、同じBaity Hillに住む学生と会話を楽しみながら通学するのも良いものです。Baity Hillに住む学生は、どちらかと言えば留学生が多いといった印象。12時を回ってもジョギングをする人がいるくらい安全面での問題がありませんので、深夜までスタディールームで勉強して夜空を見上げながら家路に着く学生が沢山います。

住環境、コスト、利便性の面でBaity Hillの魅力を簡単に宣伝しました。詳しくはHP (http://housing.unc.edu/baityhill/)にて調べることが出来ますが、実生活等に興味のある方は日本人HPを通じてご質問を頂ければと思います。

2009年1月3日土曜日

派遣ぎり

Class of 2009、M男です。

明けましておめでとうございます。日本に戻り就職活動をしております。就職市場は、想像以上に激しいことになっています。この辺のご報告はまたあらためて。

年末年始、実家に戻りだらだらと過ごしていたところ(いつもは表層的な議論に辟易する)「朝まで生テレビ」で日本経済の現状についていくつか興味深い議論があったので、いろいろと考えてみることにしました。

日本に戻ってみると「派遣ぎり」とやらで騒いでいるわけですが、いまひとつどういう問題があるのかぴんときていませんでした。「日本でも格差が広がっている」、「小泉改革のせいだ」などとは耳にしてきたものの、「本当かなぁ。」という気持ちでした。

学部時代に自由な市場経済をバックボーンとする近代経済学にかぶれ、現在アメリカで株主価値最大化を旨とする経営学を学ぶ私の立場として、現在起きている現象は市場の調整過程の一過性の事象でしかないという感覚でした。パイを拡大させて、経済を拡大させていくには、近年是とされてきた「政府の役割を小さく、市場原理が働きやすくするために規制緩和させていく」方向は変わらないだろうという思いでした。

今回の不況は、金融技術革新の中で資産価値の実態が把握しきれなくなり、またそのリスクが開示データに反映されなかったことで株式市場が適切に機能しなくなったことや、副産物として国際的に資産バブルが起きてしまったことなど個別の問題が引き金となっているでしょうから、一刀両断に景気悪化の原因を語るつもりはありません。

ただ、経済学的な大きなトレンドを見たときに政策の転換点にあるようです。



『資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言』中谷 巌

「朝生」で少し触れられて気にかかったので、読んでみたのですが、この本を読むと経済学の視点から近年の大きな流れが整理できます。

中谷巌氏はこの本の中で「新自由主義派からの転向」を告白しているわけで、このことは私にとって衝撃でした。学部時代に「神の見えざる手が全てを調整するので、政府の役割を小さくし規制緩和するべき」と学び、中谷氏も政府の政策委員として規制緩和を推し進めてきただけに、彼の転向は重みがあります。
読んでみると少しセンチメンタルすぎて、転向する理由があまりに感覚的に思えるので彼の転向には納得できませんでしたが・・・学者であるならば、新自由主義の経済政策がなぜ貧富の差を拡大するのかモデル化するなど理論的な観点から議論を展開してもらいたかったように感じます。

さて話はそれましたが、本には、新古典派からケインジアン、新古典派総合、新自由主義の経済政策の「はやり」の移り変わりが歴史的背景と共に説明されていて、非常に参考になりました。こうみてみると経済学の理論的対立も、時代背景の中で政策を通すツールとして使われてきたのだなぁと感じます。と同時に、私はマーケットの調整機能を中心にする広義の意味での近代経済学は今後も変わりなく政策の中心であり続けると思いました。また、そのマーケット機能の基礎となる、金融に媒介された株主価値最大化の経営思想は肯定され続ける(批判的に金融資本主義とでも呼ばれているものでしょうか)と考えました。

アダムスミスの「神の見えざる手」から始まる市場機能信望は、厚生経済学の基本定理に結実しています。2つ定理があり、1つめは「需給法則に基づく価格メカニズムを通じてパレート効率性という望ましい資源配分が実現できること(Wikipedia)」であり、市場メカニズムへの政府の介入を否定しています。重要なのは2つ目で「任意のパレート効率的配分は、適当な所得分配を行うことによって競争均衡配分として実現可能である(同)」とあります。

中谷氏は本の中で、この2つ目の定理について新自由主義の経済政策の限界を問いかけています。
「労働者は同時に消費者であり、経営者・資本により搾取された場合需要が喚起されず、企業の収益を圧迫するので経営者は搾取しない。そして、所得の再配分は民主主義により労働者も含めて選出される政治家により決定される仕組みになっている。」これらの前提が市場機能に基づく経済政策のバックボーンであった。
中谷氏はこの前提が適切に働かないので、新自由主義の経済政策はだめだと主張しています。

個人的にはこの中谷氏の主張には納得しかねるのですが、中谷氏は同時にグローバル資本主義経済が厚生経済学の第2定理の限界であると指摘しています。グローバルに分業体制がすすんだ現状では、国境を越えて所得が再配分されることに限界がある点、再配分を決定する政府が国によっては必ずしも労働者の立場を考慮する民主主義に基づいていないことが挙げられています。この点は非常に説得的な議論だと思います。

長くなってしまいましたが、冒頭に挙げた日本の「派遣ぎり」に代表される雇用問題も、厚生経済学の第2定理が適切に機能していないことに集約できそうだと感じるわけです。つまりマーケットの調整機能を前提に経済政策が組まれることは、厚生経済学の第1定理に基づいており否定されるべきものではないと思うわけです。むしろ経済資源を最適に配分するマーケットメカニズムが働きやすい環境は今後も強化していくべきだと思うわけです。したがってMBAで学ぶ株主価値最大化の考え方も「経済の中に組み込まれて走り続ける我々は信じて突き進むレール」として学ぶ価値のあるものだと再認識しています。

経済政策レベルで考えると、マーケットメカニズムは(今回は金融技術革新の負の面がでたため市場機能が適切に働きませんでしたが)経済のサプライサイドの資源配分を最適化している。問題は所得再配分を代表とするディマンドサイドの政策が、適切に機能していない(もしくはグローバル経済の中で限界がでてきている)ことにあると思います。

日本の非正規労働者の割合は34%だそうです。2004年以降製造業に開放された派遣労働者人件費は、物件費用として処理され生産現場に雇用裁量が委ねられているようです。人材を成長の源泉とし終身雇用する日本型経営は、リストラクチャリング発表に好感する株式市場を重視する株主経営のために崩壊しつつあるそうです。雇用が流動化し、労働者がモノとして「取引」される経営はサプライサイドの最適化にはそぐうものかもしれません。しかし、労働者が同時に消費者であることに立ち戻ると派遣労働者の失業は経済活動の停滞を招き、企業経営にも影響を与えます。

とはいえ、各企業は自助努力の中でルールの中で経済活動を最適化しているに過ぎません。マーケットを通じてグローバルに経済がつながっていることで、少なくとも生産が効率的に行われ経済のパイが拡大していることは肯定できることだと感じています。市場主義が悪であるという単純な論理で、企業活動を制約する規制強化という結論にならなければよいのですが。。。景気を下支えするために、所得再配分や雇用安定化などのディマンドサイド中心の経済政策が議論の中心になっていくんでしょうか。。。

大きな政府を志向し、所得の再配分を重視する民主党がアメリカで政権をとったことで、経済政策の潮流が変化するのかもしれません。アメリカのことですから、新興国に内需拡大とそのための所得再配分を行うよう声高に叫びだしたりするかも・・・なんて妄想してみます。

と、だらだらといったわりにはたいした結論ではありませんが、学生のたわごとと思いお許しください。

ちなみに本投稿はM男個人のものであり(ちなみに会社の所属もありませんので)、UNCおよびUNCの学生や、UNC MBAで学ぶ内容とすらあまりかかわりがありません。MBAでこんなオタクの戯言を言う人はほとんどいませんので、安心してアプライしてください。笑

それでは今年もよろしくお願いします。

Posted by M男

2009年1月1日木曜日

A Happy New Year

Class of 2010のEvans2010です。

新年明けましておめでとうございます!
2008年は世の中も激動の1年でしたが、私個人としても生涯忘れることのできない激動の1年でした。

※写真はもちろんチャペルヒルではありません(笑)

去年の今頃は正月など関係なく(家族を犠牲にして)、せっせとエッセイや出願書類の作成に励んでいたものです。UNCに出願したのがちょうど1年程前なわけですが、随分昔のことのように感じます。

出願、ビジット、インタビュー、合格発表、渡航準備、チャペルヒル到着、ドキドキのASW開始、初コールドコール、次男の誕生、怒涛のMod1、家族との再会、毎日寝不足だったMod2、全てが今となっては掛け替えのない素晴らしい思い出です。

2009年も、世の中の暗いニュースを吹き飛ばすよう、1日1日を大切に輝ける1年にしたいと思っています!

このブログも昨年8月末に誕生しましたが、みなさんのお陰で幸先のよいスタートを切れたのではないかと思っています。
約4ヶ月で投稿本数55本、訪問者カウンターを設置した11月上旬以来約1ヶ月半で延べ約1500名の方々に訪問していただきました。
「ブログ楽しみに見ています」というお声も色々な方から伺いました。嬉しい限りです。

在校生一同、引き続き張り切って情報発信していきますので、本年もよろしくお願いいたします。

Posted by Evans2010