2023年8月23日水曜日

アメリカ製薬会社でのインターンシップ体験

MBAの学生は、夏にインターンシップ・プログラムに参加することができます。この期間、私はアメリカの製薬会社でオペレーション&ストラテジーの部門でビジネス・アナリストとして働きました。この機会に、アメリカでの労働環境でのサバイバル能力を磨くだけでなく、MBAで得た多様な知識を応用することができました。

MBAの授業が実際のビジネスの世界でどのように応用できるのか、興味を持つ人がいるかもしれないので参考になれば幸いです。私の場合は、データ分析とオペレーション・マネジメントのスキルは、データを使ってビジネスオペレーションの最適化したインターンシップのプロジェクトで非常に貴重なものでした。

私のプロジェクトは、開発コストに大きな影響を与える医薬品開発プロセスにおけるリソース配分(人員や予算)の意思決定プロセスを最適化することでした。現在の意思決定プロセスを理解し、プロセスを最適化するソリューションを提供しなければなりません。私はMBAプログラムのオペレーション・マネジメントの授業を通じて学んだ知識(プロセスフロー図と稼働率と生産性の指標など)を応用して、業務プロセスをマッピングしました。この構造化された方法は、チームが問題を特定し、意思決定のための潜在的な解決策を見つけるのに役立ちました。また、リソース配分の決定には複数部署のデータセットが必要で、それらの間にはギャップがあり、透明性が欠如していることが問題でした。Power Query を使ったデータバリデーションや、複数の仮説に基づいた予想モデルを提案し比較することにより信憑性を向上させ、意思決定の標準化を進めました。その結果、財務やビジネス・インテリジェンス部門などのステークホルダーとのコンセンサスを得ることができ、最適な意思決定プロセスを提案することができました。

さらに、リソース配分(人員や予算)の意思決定プロセスに、あるパフォーマンス指標に基づいて人員数を決定する新しいアイデアを提案することができました。このアイデアを提案する際には、 データ分析の授業で学んだデータ分析プロジェクトのフレームワークを活用することが出来ました。例えば、 必要なデータを得るために、プロジェクト当初に目的を設定し、関係者と共有することでスムーズに必要なデータを得られました。また、複数のパフォーマンス指標があるなかで、多角的な視点からの分析を比較することで、重要な指標なのかについてチーム内のコンセンサスを得ました。データ分析プロジェクトを授業で経験やフレームワークが活かせたと思っています。

何よりも、インターンシップでは、アメリカという異国の環境で働く自信がつきました。アメリカ人のマネージャーやチームメンバーと関係を築くために、下記のことに集中しました。

Storytelling: ハイレベルな観点で自分のアイデアを伝えて、詳細な分析データは後で見せる。データを先に見せてしまい最後の結論まで議論が進まなかったことが多々あったので、この方法を意識することで効率よく議論を進めることができました。

Be confident:自分のアウトプットに自信を持つこと。すこしでも曖昧な表現を使ってしまいと、そこから議論が進まなくなります。

今回のチーム構成でうまくいった事例ですので、あらゆる環境でもうまくいくテクニックではないと思いますが、インターンシップの最終日に上司から「あなたはステークホルダーから尊敬されるようになった」とフィードバックをもらえたので、自信がつきました。

インターンシップを得るまでに精神的・体力的に苦労しましたが、貴重な経験が得られたので満足しています。