2018年3月29日木曜日

MBAとCFA



こんにちは、2年生のYukiです。卒業まで残すところ1Modになりましたが、今回は私がMBAプログラムと並行して受験しているCFA試験について書き綴りたいと思います。

【CFA試験とは】

CFAとは、Chartered Financial Analystの略で、アメリカのCFA Instituteという協会が認定している財務や投資に関する専門資格です。機関投資家や投資銀行などで業務を行う方々にとっては非常にメジャーな資格で、現在では全世界に14万人ほど資格保有者がいます。資格を取得するためには1次から3次までの財務分析に関する筆記及びマークシート試験と、4年間の財務や投資関連業務の実務経験が必要になります(実務経験については、広く定義させているようなので、投資銀行や機関投資家に属する業務でなくても、受験資格に足り得る場合が多いようです。)。一般的に、財務や投資に関連する業務についている方々は、CFAを取得するかMBAを取得するか迷う場合も多いですが、今回はこのブログをご覧になっている方々がMBA入学を目指していることを前提に、MBA期間中にCFAを取得することの相乗効果について、私の体験談も交えて解説していきたいと思います。

【MBAとCFA取得の相乗効果】


· MBAの授業内容とCFAの試験内容

UNCのMBAカリキュラムでは、コーポレートファイナンス、インベストメントバンキング、リアルエステートのコンセントレーションがあり、これらに関連する多くの授業が、実質的にCFAの試験内容と重なっています。また、必修科目においても、ファイナンスに関する授業の多くの部分がCFAの試験でも主要出題項目になっています。私はMBAカリキュラムにおける当該科目のすべてを受講したわけではないですが、シラバスや友人からの情報を鑑みると、授業をうまく重なるように履修することで1次試験の65%、2次及び3次試験は75%程度の出題内容がUNCのMBAのカリキュラムでカバーできると思います。もちろん授業で習ったことを、演習問題で数多く解いたり、暗記したりする作業もプラスアルファで発生しますが、少なくとも理解すべき範囲の多くはMBAとCFAで共通するところが多いです。

· CFAの試験時期

CFAの試験は年一回、例年6月にあり(1次試験だけ年2回、6月と12月開催)、ちょうどMBAの夏休みが始まって一か月経ったあたりなので、MBA生はその時期に勉強することが可能です。社費派遣の方でインターンを考えていない方は特にですが、試験合格者の平均勉強時間は、毎次試験およそ300時間強とされており、そこから考えると試験前に夏休みに入るUNCのMBAカリキュラムは魅力的なスケジュールだと思います。また、後述しますが、インターンを行うような方の場合も、アメリカ企業のファイナンス部門でのインターンであれば多くのインターン仲間や社員が受験しているので、お互い協力し合いながら勉強することが可能です。私の場合も6月から8月まではインターンのために働いていたので忙しい時期でしたが、試験直前は仲良くなった社員の方と就業後にカフェで勉強したりと、モチベーションを維持することができました。

· MBA生の中でのCFA受験者について

CFA試験はMBAのクラスメイトの中にも多くの受験者がいます。CFA試験の場合、定番の教科書や問題集が決まっていて、それを使って学校のカフェなどで勉強していると、どこからともなくほかの受験者が話しかけてきて、次は何次試験?といったように会話になりネットワークが広がります。彼らと分からないところを教えあったり、試験範囲の情報交換をすることで試験勉強を効果的に進めることができました。また、ファイナンスやインベストメント関連業務でインターンを行う予定の方は、合格発表が7月後半にあるため、インターン先の企業でCFAを受けている社員の方々とも話が盛り上がります。私の場合、私は当時、米系保険会社の100人程度の投資子会社のディーリングルームにいましたが、受験者の社員に合格のメールが届く度に、各チームから拍手の音が聞こえます。会社によって状況は異なるかもしれませんが、バイサイドのリサーチとディーリング部門では合格発表日はそこそこ大きなイベントになります。私はインターンの身分でしたが、知らない社員の方からもおめでとうと声をかけられて嬉しかったのを覚えています。

· スカラシップ

試験費用は、何次試験かや出願時期によって変動しますが、3回の試験総額は最短で合格して25万円程です。ただ、それに加えて市販の問題集などを購入したりする費用や、平均4、5年かかるというCFA協会のコメントを参考にして1、2回程度は不合格になる前提だと、5、60万円がトータルのコストになると思われます。この費用面において、CFA協会は、Kenan-Flagler Business Schoolとパートナーシップを結んでいるため、スカラシップを利用することが可能です。残念ながらMBA生のCFA受験者全員が得られるものではなく、書類選考がありますが、毎受験費用の半分程度をスカラシップで負担することが可能です。
· キャリアヘッジとしてのCFA

私のケースになりますが、30歳を過ぎてからのMBAで、ファイナンスをバックグラウンドにしていると、MBAのカリキュラムでのファイナンス分野は、多くが既知の内容となってしまい、新鮮味に欠けることもあります。最初に記載しました履修項目の相乗効果の利用とは反しますが、もし投資財務分野で既にある程度キャリアを積んだ方がMBAに来る場合、ファイナンス関連以外を中心に取るほうが知見が広がるのかもしれません。私の場合も、選択科目からはファイナンス分野以外で、主にデータアナリティクスやマネジメント関連の授業を取得していました。もし卒業後に投資財務分野から離れることができないような場合、CFAをキャリアヘッジに使うことで充実したMBA生活を送ることができると思います。

【スケジュール】

MBAとCFAの同時取得のためのスケジュール案として、1次試験はさほど重たいものではないので、MBAに来る前の準備期間やそれ以前に、済ませてしまうのがいいかもしれません。早くにMBAでの合格を勝ち取って、渡米を待っている段階の方でしたら、MBAの科目の予習がてらMBA受験終了後から渡米までの間に勉強して、渡米直前の6月の試験で合格することも可能かと思います。2次試験については定量的な分析が多くなるので、コア科目を終わらせてから夏休みを勉強に利用できる1年生の6月受験がベストかと思います。ここまで順当にいくと、残りの3次試験は卒業直後の2年生の6月の受験で合格して修了するのが最短ルートかと思います。

【まとめ】

最後に、上記に記したMBA期間中のCFA取得のアドバンテージをまとめますと、授業を利用することでの勉強時間及び教科書代の削減、MBA外でのキャリアヘッジ、MBA期間の自己のユーティライゼーションの最大化、クラスメイトのCFA受験者間での新たなネットワークの構築、他分野の授業履修による機会損失の低下、また、スカラシップの利用などがあげられると思います。ともすれば2年のMBA期間で、授業の履修だけだと手持ち無沙汰になるタイミングもあるかもしれません。そういった時間を無駄にしないためにも、1つの選択肢として、特に投資財務分野のバックグラウンドの方は上記のようなCFAとMBAのダブル取得をお勧めします。

2018年3月21日水曜日

地域との関わりについて NPO Board Consultant

Class of 2019のNobuです。現在はSpring Breakを迎えているところです。さて、今回はChapel Hillや地域との関わりという視点からNPO Board Consultantというプログラムについて紹介したいと思います。

このプログラムは、RTP近郊のNPOのBoad Consultantとして1年間それぞれのNPOに対して働くものになります。残念ながら単位は出ないのですが、1年目の10月に募集があり、Class of 2019では約30名がBoard consultantとして活動をしています。私自身、日本にいる際はNPOはあまり身近な存在ではなかったのですが、コアクラスのBusiness Strategyの中でNPOの方々が授業に来て授業内という短い時間ではありますが、課題解決の提案をするといった授業もあり、①学内だけでなく地域との関わりを持ちたい②Hands-onの機会を得たいという理由からBoard Consultantに応募しました。

NPOによって活動内容やその範囲はそれぞれですが、今回は私が行っているTriangle※ UltimateというNPOでの活動内容を紹介したいと思います。アメリカ人とインド人のクラスメートと共に3人で活動しています。
※フリスビーを使ったスポーツ。アメリカでは日本より一般的なようで学内でもプレーしている学生をよく見かけます。Triangle Ultimateはローリー、ダーラム、チャペルヒルの地域において、小学生から大人まで各年代のUltimateの大会やキャンプ等を通じた地域交流の場を提供するNPOになります。





実際の活動についてですが、現時点ではNPOを構成する各Committee(財務状況を管理するFinance committeeやユース年代のプログラムを管理するYouth Committee等)と話し合いを行い、それぞれの課題に対して取り組み始めたところです。例えばYouth Committeeでは、「参加者を増やしたいとい」という課題に対して、既存の参加者データや人口統計データを用いてまずは現状の分析と取りうる戦略の外枠を作り始めたところです。まだまだスタート段階で(もう3月ですが!)具体的なアドバイスやアクションを起こすに至ってはいないのですが、チームメイトのアメリカ人はUltimateを長年やっていたこともあり、毎度のMeeting後にUltimateのルールや地域のリーグ戦の仕組みを教えてくれたりと、堅苦しくなりすぎず楽しみながら取り組んでいます。

具体的な活動内容については、改めてアップデートしますが、学業以外での多様な成長機会の一つとして興味を持ってい頂ければとても嬉しいです!