2012年12月13日木曜日

STAR Project を終えて思った事

Class of 2013のTTです。

以前当ブログでSTAR Projectについて書かせて頂きましたが、あれから早一年が経とうとしております。(http://uncmbajapan.blogspot.com/2012/01/star-project.html

できれば適宜状況のアップデートを、と思っていましたが、STAR Projectのあまりの忙しさにアップデートできず。。。ここでまとめてアップデートさせて頂きたいと思います。お堅いと飽きられそうなので日記調で書かせて頂きます。少々長くなりますのでご興味のある方のみお付き合い下さい。

<2012年1月>
先のブログでお話したとおり、我々のチームの任務はとある米大手企業の家庭用発電・蓄電機に関する戦略策定です。プロジェクトのスタートは1月中旬のKick offミーティングであり、ここでは現状認識のすり合わせと与えられた課題の再確認を行います。実はこの会社、既に家庭用発電機として注目を集めているSolar・Windに関する商品を持っており、このミーティングで「Solar・Wind以外の分野に興味がある」&「これは既存商品のマーケティングプロジェクトではない」とのお達し。Solar・ Windという二大再生可能エネルギー(そしてかろうじて若干の予備知識がある二つ)を最初から排除され、波乱のスタートです。まずは、「他にどのようなエネルギー技術が実用化可能なのか」、「他社が現在どのような商品提供しているのか」を特定するマーケットリサーチから手を付けていきました。

<2012年2月>
案の定、母国語以外で全く知らない分野のマーケットリサーチはさすがに骨が折れました。様々なレポートを読みこなし、時にはKenan Institute(UNC KFBSお抱えの企業や政府相手にリサーチやコンサルティングを提供している機関)から再生可能エネルギー分野の専門家を招いてインタービューを行う等、1月下旬から2月はほぼ全ての時間をリサーチに費やしました。2月下旬にあった第二回クライアントミーティングではそのリサーチ内容のシェア(これがメイン)と共に、今後どういった方向性で進んでいくかを議論。クライアントも当然本気でミーティングに参加してくるため、プレゼン中にも関わらず頻繁に我々を止め様々な質問をぶつけてきました。全体的には我々が提示した方向性に左程違和感はなかったようで、今後もこの調子で頑張って欲しいとの事。

<2012年3月>
ある程度リサーチは済んだので、後は戦略策定だ!というわけにはいかず、追加のリサーチに追われます。ここでは「現在の顧客の知識レベルはどの程度か」といった、簡単には調べられないがProject上非常に重要なリサーチを行います。この顧客の知識レベルについてはSurvey会社を利用しアンケートを行い(このコストはクライアントがUNC KFBSに支払うコンサルティング料金には含まれておらず、クライアントに追加で負担してもらう必要があります。負担してくれるかどうかは交渉次第です!)、現在顧客が家庭用蓄電・発電機をどのように見ているのかを調べました。また、先のプレゼンの中で商品確保の一つの手段としてVenture Capital投資を提案したので、ベイエリアで再生可能エネルギー分野に従事しているUNCアラムナイのVenture Capitalistに電話インタビューを行い、意見を伺いました。更には、チームメイトの父親が建設会社を経営していたので、企業顧客としての意見を聞くべく、その父親にも意見を伺いました。利用できるリソースは何でも利用しました。3月下旬のクライアントとのテレフォンカンファレンスでは、こういった追加情報を元に最終提案内容のラフな草案をクライアントにシェアし、率直な意見をもらいました。

<2012年4月>
4月末にクライアントとの最終ミーティングがあるため、いよいよ追い込みです。3月下旬に行ったテレフォンカンファレンスでの意見を元に、提案内容に追加・変更・削除をし、我々の提案をより具体化し実現可能なところまで持っていきます。最終プレゼンではプレゼン資料と共に、Financial Projectionや SurveyのSummary等の提出が求められるため、そちらの資料作成にも時間がとられます。また、最終プレゼン一週間程前にはUNC KFBS教授陣による事前チェックが入り、フィードバックに基づきさらに提案内容を改善、と4月はやる事が盛りだくさん。最終的には、本番前日の徹夜作業を経て、なんとか完成。ほとんど寝ずにプレゼンの練習を行い、本番に臨みました。本番後、終わった後のハイテンションそのままにゴルフに直行しました。



以上が私のSTAR Projectの流れです。プロジェクトによって若干流れは違いますのであくまで一例として考えてください。

STARを終えて改めて振り返ってみると、前職が証券リテール営業と人事の私にとっては、何もかもが初めてで非常に貴重な経験だったと思います。アメリカ人クライアントとの真剣な議論、雲を掴むようなリサーチの連続、専門家へのインタビュー等々、実際のビジネスとリンクしたまさにAction Based Learningと呼ぶに相応しい経験を積むことができました。

さて、ここまではおそらく他校のAction Based Learningと左程変わりないのではと思います。ではUNC KFBSのSTAR Programは他校のAction Based Learningと比較してどこが違うのでしょうか?一点決定的に違うところがあります。

「組織面でのチャレンジ」です。

STAR ProgramのDomestic Business Project (DBP) のケースを考えてみましょう。他校ではMBA生同士がタッグを組みプロジェクトを行うケースがほとんどです。では、実際の現場にはMBAに来るような優秀な人材だけが働いているのでしょうか?絶対にNoです。確かにMBA生同士でプロジェクトを行えばストレスレスに過ごす事ができるかもしれません。でも実際の現場はそうではないと思います。優秀な人もいれば、何も知らない新入社員もいます。UNC KFBSが意図してやっているかどうかは分かりませんが、STAR Projectではアングラ(学部生)がチーム内に組み込まれることによって、業務経験のない彼らを如何に教え戦力になるまで育て上げるか、という組織面でも実戦さながらの環境が提供されているように思います(中には教える必要もないくらい優秀なアングラもいるようですが。。。)。

一方、Global Business Project (GBP)では、他校のMBA生(Columbia, Duke等)と共同してプロジェクトを進めていきます。そのため、Face to Faceで会う機会は数回しかなく、常にSkype等を介してプロジェクトを進めていきます。当然Face to Faceで会ってミーティングする方が断然効率的だと思いますが、こういったオンラインベースでプロジェクトを進めていく機会は実際のビジネスの現場で間違いなく増えてくると思います。今でさえNYにいる社員と東京にいる社員がチームとなって動く事なんていくらでもあるはずです。このGBPはオンラインベースでのチームマネジメントを実践できるMBAでも稀な環境なのではないかと思います。

プロジェクト自体がチャレンジングなのは当然として、組織面でもこういったチャレンジが設けてられているのは、UNC KFBSのLeadership教育に対する熱意の表れなのかもしれません。

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