GIE Brazilですが、2日目以降忙しいスケジュールに追われ、またネットが繋がらない環境などもあった為、実況生中継が途中終了になってしまい申し訳ありません。
帰国後もやり残したMod3のtake home examや宿題などに追われ、リポートが遅くなってしまいました。。。。
さて、本日はSao Pauloで訪れた、BM&F BOVESPAについて。
BOVESPAは1890年に設立されたサンパウロの証券取引所で、南米最大、世界で13番目、アメリカ大陸ではNY Stock Exchange、Toronto Stock Exchange、NASDAQに次ぐ4番目の規模(時価総額ベース)のstock exchangeです。
2008年5月にはBM&F(Brazilian Mercantile and Future Exchange)を合併し、現在のBM&F BOVESPAの組織となっています。
主要インデックスであるibovespaは取引高上位50社で構成され、数年来のBRIC’sブームにより注目を集めております。
しか~し、、、正直マイナーな取引所であることは否めず、金融関係の読者の方でも聞いたことの無い方も多いのではないかと思います。
しかも、Sustainable FocusのBrazil GIEでナゼここに訪れたのかと思う方も多いに違いありません。
その答えは、この証券取引所がCorporate Sustainability Indexを運営していること、また、Carbon Creditのオークション実施組織であることにあります。
今回のビジットでは、その2点についてレクチャーを受け、取引所幹部の方とディスカッションをする予定になっていたのですが、残念ながらCarbon Creditについては担当者の方が急遽欠席となってしまいました。Sustainability Indexのみがテーマとなりましたが、とても興味深いものでした。
Sustainability Index (略称ISE=Indice de Sustentabilidade Empresarial)は、BOVESPAが運営するIndexのひつつで、BOVESPA上場企業の中でSustainable Enterprise として認定された企業で構成されています。 認定アドバイザリーボードには国連組織も名を連ねています。
ブラジルの主要企業はこの取引所に上場しているので、取引所の方々とのディスカッションを通じてブラジル経済の実情を垣間見れたような気がします。
まず正直に感じたことは、いかにBRIC’sなどと騒がれているとは言え、先進国との間には未だ大きなギャップが存在する感は否めないことです。
まず、上場企業数が圧倒的に少なく、Indexを運営するにも対象とできる企業数の確保が難しいことが挙げられます。
NYSE 約2,800社、NSDAQ 約3,200社、東京証券取引所 約2,400社、JASDAQ 約1,000社に対してBOVESPAは約450社。更にIndex運営に際して流動性を確保できる銘柄数が約150社。
Sustainability Indexもその150社の中からSustainable Enterpriseとして認定できる銘柄を選出しなければいけません。
BOVESPAはこの150社の中から約140社にSustainabilityに関するレポートの提出をリクエストし、返信があった企業のレポートを精査した上で、最終的に採用銘柄を決定しているのですが、返信自体が約50社からしか来ないそうです。
つまり、その他の企業はそもそもSustainabilityに興味がない、または自社が認定されるはずがないと考えているのです。
低コストとは言え、アプリケーションコストが約3,000レアル(約$1,300)かかるもの影響があるのかも知れません。
そして最終的にはこの50社の中から30社(約60%!)を認定しています(2008年現在)。これではIndexの運営自体が難しいのは言うまでもありません。
なお、認定基準は多岐に渡るのですが、基本的にはTriple Bottom Line(社会的、環境的、経済的にSustainableであることがSustainable Enterpriseであるという考え方)に準じています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Triple_bottom_line
しかしながら、BOVESPAの取り組みとして非常に感銘を受けた点があります。
それは、レポートを提出した企業に対して、きめ細かなフィードバックを行っているという点です。しかも、構成銘柄は毎年更新し、その都度、すなわち毎年フィードバックを行っているのです。
つまり、単にYES/NOの回答ではなく、どの点がSustainable Enterpriseとして評価できる点なのか、どうすれば改善できるのかなどを企業に回答し、企業育成ひいてはブラジル経済の発展に貢献しようと懸命に取り組んでいるのであります。 人的資源が限られる中で、かなり大変な作業であるとのことでした。
ずいぶん前に株式市場間戦争という本が発刊されましたが、取引所も競争の真っ只中にあり、世界中で買収/合併などを通じて取引所の合従連衡が進んでいます。
正直訪問前は、私はBOVESPAの取り組みを、生き残りのための単なる差別化戦略の一環だと思っていたのですが、どうもそれだけではなく、Brazilの企業風土を改善したいという思いで、このISEをスタートさせたのだということを身をもって感じることができました。
つまり、単にYES/NOの回答ではなく、どの点がSustainable Enterpriseとして評価できる点なのか、どうすれば改善できるのかなどを企業に回答し、企業育成ひいてはブラジル経済の発展に貢献しようと懸命に取り組んでいるのであります。 人的資源が限られる中で、かなり大変な作業であるとのことでした。
ずいぶん前に株式市場間戦争という本が発刊されましたが、取引所も競争の真っ只中にあり、世界中で買収/合併などを通じて取引所の合従連衡が進んでいます。
正直訪問前は、私はBOVESPAの取り組みを、生き残りのための単なる差別化戦略の一環だと思っていたのですが、どうもそれだけではなく、Brazilの企業風土を改善したいという思いで、このISEをスタートさせたのだということを身をもって感じることができました。
成長至上主義的な発想に陥りがちな成長国特有の企業風土を改善するため、さらには経済発展のために、資本市場という立場から何ができるのか、ということに懸命に取り組んでいる彼らの姿を見て、色々なことを考えさせてくれる大変貴重な機会だったと感じています。
世界不況の真っ只中で成長国の動きも鈍くなってはおりますが、中長期的にはそれらの国々の活動が世界経済にとって重要なのは紛れもない事実だと思いますし、同時にTriple Bottom Lineの発想がより重要なものとなっていくことも言うまでもないでしょう。
今後もBOVESPA、ならびにBrazilの動きに注目していきたいと思います。
Posted by Evans2010
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