2017年4月27日木曜日

6th Victory in NCAA Tournament

こんにちは。Class of 2017のKiyoです。

今月3日、我がUNC男子バスケットボールチームがNCAA(National Collegiate Athletic Association)主催の全米トーナメントで見事優勝しましたのでその様子をレポートしたいと思います!

バスケットボールは、アメフトと並ぶカレッジスポーツの二大人気種目のひとつです。11月にレギュラーシーズンがスタートし、National Championを決めるトーナメントが3月から4月のあたまにかけて行われます。1回負けたら終わりのトーナメント、格下が上位シードを破る番狂わせが起きたり、最後の0.1秒で逆転するドラマが生まれたりと、全米が手に汗握りながら観戦する熱気に包まれることから、”March Madness”とも呼ばれます。日本で例えると、夏の甲子園とか箱根駅伝のような注目が集まり、放映権をめぐっては、100億ドル規模のマネーがやりとりされる超ビッグイベントなのです。

UNCは、マイケルジョーダンを輩出したことで有名な超名門校です。派手なリクルーティング力はないものの、ヘッドコーチ、ロイ・ウィリアムスの堅実な育成手腕により毎年実力のあるチームを作り上げてきます。昨年は、オールアメリカン(全米代表選手)2人を擁して優勝候補に挙げられながらも、決勝でビラノバ大学のブザービーターで敗れ、悔しい思いをしたところでした。私は当時、日本人留学生2名と我が家でビールを飲みながら大いに歓声を上げつつ決勝を見ていたのですが、最後の瞬間で敗者となり、なんともやり場のない、整理がつかない気持ちで解散したのを覚えています(ベスト4に行くだけでも学校の歴史として語り継がれるくらい本当はものすごいことなのですが)。

その悔しい思いをした日から丸一年がたち、UNCは再び決勝の舞台に上り詰めました。

強豪が格下に敗れるアプセットが相次ぎ比較的楽に勝ち進めた昨年と異なり、今年は強豪が順当に勝ち上がり、UNCは力対力の激しい闘いを強いられました。

準々決勝のケンタッキー大学戦では、終始リードして試合が推移するものの、なかなか決定的な差をつけられず、試合最終盤で3ポイントの連続で追いつかれる展開に。会場もケンタッキームードになる苦しい中、残り0.3秒で、今年からぽつぽつ試合に出始めた2年生のフォワード、ルーク・メイが見事ジャンプショットを決め、ギリギリで逃げ切り勝ちをおさめました。準決勝のオレゴン大学戦では、手に汗握るシーソーゲームが展開され、1点差リードの残り数秒でUNCのフリースロー。2本決めれば3点リードとなり悪くとも逆転されることはないというシチュエーションの中、2本とも外してしまい、ワンショットで逆転されるというまさかの展開。しかし、外したフリースローをUNCがリバウンドするというミラクルプレーで、敵の反撃を防ぎ、辛くも逃げ切り勝ち。本当にしびれる展開続きの勝ち上がりでした。

決勝の相手はゴンザガ大学。ワシントン州に位置する大学で、強豪のリーグに所属しているわけではないものの、今シーズンたった1回負けただけで決勝まで勝ち進んできた実力あるチームです(UNCは7敗)。日本人の八村塁選手が所属するチームということで話題ともなりました。

当日は、自宅近くのスタジアム(Dean Smith Center)でのパブリックビューイングに妻とともに参戦です。試合前から「今年こそは」という思いとともに会場は熱気に包まれていました。ゲームは開始後の5分はリードするものの、その後リードされる展開が続き、一時は7点差をつけられます。粘りながらなんとか3点差で前半を折り返すと、後半開始3分で追いつき、再びゲームは競り合いに。その後、2点差以内のシーソーゲームが続き、残り1分40秒で65-65の同点。3年生のオールアメリカン、ジャスティン・ジャクソンがフリースローで1点追加すると、お互いに追加点がとれないまま、残り30秒に突入。ここで、ここまで4ファウルの4年生のイザイヤ・ヒックスが、ゴール下に果敢に飛び込み、シュートをねじ込みます。68-65。相手ボールの残り15秒、チームの大黒柱、4年生のケネディ・ミークスが相手エースのシュートを見事ブロック。3年生のピンソン、ジャクソンと流れるようなパスワークであっという間に2点を追加し(70-65)、試合に終止符を打ちました。その後、相手のシュートミスとファウルによるフリースローでの追加点もあり、71-65試合は終了。大学別優勝回数では単独3位となる6回目の優勝を手にしました。

試合後、ファンたちの多くは、熱気冷めやらぬまま大学に隣接する繁華街フランクリンストリートに繰り出します(この時点で0時)。私たちは翌朝早くから授業があったため、ストリートには繰り出しませんでしたが、会場や近くの駐車場ではいつまでも”Go Heels!”という掛け声が繰り返されていました。なお、フランクリンストリートは警察が出動するほどの大騒ぎで、チャペルヒルの人口をゆうに超えるのではないかという人々であふれかえります。私のクラスメートも多数参戦していたようで、翌朝の授業の出席はいつもの半分くらいだったし、出席していた生徒の多くは死んだ魚の目をしていました(先生もやれやれという感じでした(笑))。

私は、渡米前はバスケが全く好きではありませんでしたが(むしろすぐファウルになるので嫌いだった)、こちらに来てカレッジバスケットの魅力にすっかり引き込まれました。トーナメント決勝を2度も味わえただけでなく、伝統のデューク戦での勝利、そしてスタジアムに観戦に来ていたマイケル・ジョーダンを目の前で見れたことは、最高の思い出のひとつです。Tar Heelsは、コミュニティに浸透しているのみならず、そのファンは全米中にいます。私は、よくUNCのプリントが入ったトレーナーやTシャツを着ているのですが、カナダのケベックシティで、ラスベガスで、サウスカロライナの田舎町で、”Go Heels”の掛け声とともに話しかけられるという経験をしました。スポーツのもと、人と人とがつながっていくのは本当に素敵なことですし、この温かく誇り高きコミュニティの一員になれたことを私自身もとても誇りに思います。今回の経験を通じて、UNCの一員として、コミュニティに貢献したいという思いをますます強くしました。

おめでとうTar Heels! そしてGo Heels!

70-65と試合がほぼ決した瞬間に、スタジアムのコートになだれ込むファンたち。

試合翌日に凱旋帰郷した選手たちを迎えての祝勝会の様子。


ChampionTシャツと号外新聞



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