2021年4月23日金曜日

本の紹介

こんにちは。Class of 2021のTKです。

MBAの長い受験プロセスを終了し、夏の渡米に向けて準備を始められてきた方が増えているかなと思います。一方でウェイトリスト対策など、まだ戦っている方もいるかと思います。ぜひUNC在校生としてお手伝いできることがありましたら、遠慮なくご連絡をください。

我々Class of 2021は卒業を3週間後に控え、これが私にとって在校生として最後のブログになると思います。今回はMBA期間中に読んだ様々な本の中で、これからMBAで学ばれていく上で参考になるであろう本を1つ紹介させて頂こうと思います。時間が出来たら読んでみると、MBAでの勉強やその後にキャリアにとって、とても参考になる本だと思います。


コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える(冨山和彦)

CX(コーポレート・トランスフォーメーション)やDX(デジタル・トランスフォーメーション)というワードはよく聞くと思います。この本は、いかに日本の企業が世界と比べて時代遅れなのか、様々な企業が取り組んでいるCXやDXがいかに本質をついていない、いわゆる”CXごっこ”になっているかを、かなり辛辣にきつい言葉で、しかし納得のいく形で書かれた本です。

日本は1960年代の高度経済成長期からバブル崩壊までの30年間にうまく機能した終身雇用、年功制度、新卒一括採用といった制度を、時代がどんどん変わり、企業に求められるものも変わってきているにも関わらず、ほとんど姿を変えることなくここまで来ました。そして気がづいたら、国際社会と対等に戦える企業が全然なくなっている現状に非常に鋭くメスを入れています。
いかに現在の日本企業の人材・事業ポートフォリオが同質的、閉鎖的、固定的であるか、そしてどのようにしてこれを多様性、開放的、流動性の高いものに変えていくか、それが真のCXであるということを説明してくれています。

「両利き経営」(これまでのコア事業を深化させつつ、新たな事業機会を探索する経営のこと)を実現するためには、(1)コア事業を強化し、新たな事業に投資ができる十分なキャッシュを生み出せるものにする、(2)買収と事業売却を頻繁に行い、事業ポートフォリオの新陳代謝を高める、(3)組織能力(人材)を多様化する、この3つが重要といわれています。

コロナにより、時代変化のスピードが10年も20年も早まったといわれています。これは企業にとってピンチでもあり、同時に大きなチャンスでもあります。日本企業はどのようにしてCXを実施して、両利き経営を実現できる形に変えていくかの道筋を、多くの事例と筆者の経験を用いて、とても明確に描いてくれている本です。


以下、本文で私が笑ってしまった文章です。
「今の日本企業の上層部は、若い人たちにはまだ経営などをやる能力がないという。でも能力がないのではなくて経験がないだけだ。ならさっさと昇進させて経験させろ。大学時代に麻雀やディスコ通いやらサークル活動やらでろくに勉強もせず、社会人になってからは行きたくもない土日の営業ゴルフに付き合い、行きたくもない銀座の飲み屋に付き合い、ひたすら上司のケツの穴をなめることで偉くなってきた日本人の中高年のおっさんの能力なんて、たかが知れているのだから。」

節々にこのようなきつい(汚い)言葉で書かれている部分はありますが、全体としてとても納得のいく、とてもおもしろい本でした。MBAはこれからのキャリアを見つめなおすことのできる貴重な時間になると思います。ぜひ時間のある時に読んで、これからのキャリアを考える際の参考になればと思います。

他にもいろいろ読んでお勧めしたいものがたくさんあるので、もしUNCに進学されて、何か面白い本ないかなと思ったら、遠慮なく聞いてくれたらうれしいです。

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