2014年10月30日木曜日

VCIC (Venture Capital Investment Competition)

Class of 2016 のTakです。

MBAにいると数多くのケースコンペティション (企業へのプレゼン) に参加できる機会が多くあります。その中でもUNCの主催するVCIC(Venture Capital Investment Competition) は特徴的なものの一つです。このVCICは、1998年にUNCが始めたケースコンペティションで、現在ではアメリカのみならず、世界中のMBAが参加する大規模な大会となっています (2015年には13ヶ国から66校、1,250以上の学生が参加) 。

なぜUNCがベンチャー系のCompetitionを主催しているのか疑問に思う人もいるかもしれません。実は、UNCのあるノースカロライナは、アメリカでは西のカリフォルニア、東のノースカロライナといわれる程ベンチャー企業、そしてベンチャーキャピタルの盛んな地域です (この地域はリサーチトライアングルとも言われるUNC, Duke, NC Stateの3大学を結ぶ地域にあり、また、トライアングルは産・学・官の3者連携からも由来しています)。

まずは、VCICの概要を説明します。通常のケースコンペティションは、提案先企業とお題が与えられ、それについて各チームが提案をするというのが一般的なものです。UNCの主催するVCICは、自分たちのチームがベンチャーキャピタルという想定で、お題として与えられるベンチャー企業に投資するかどうかを検討するというものです。以下にVCICの特徴を3つ挙げます。

VCICの特徴1:本物のベンチャー企業及びベンチャーキャピタルが参加
VCICはベンチャーへの投資判断をするというケースコンペティションですが、投資検討企業には、実際に資金調達を検討している本物のベンチャー企業数社が参加します。そのベンチャー企業に対して、学生がデューディリジェンス(企業への質問、調査)や投資条件の交渉を行います。また、仮想の投資委員会に対して投資概要の説明を行うのですが、驚くべきことに、この投資委員会のメンバーは実際のベンチャーキャピタル。「この投資に対するリスクを3つ説明して」「そのリスクをどう担保するの?」「投資金額多すぎない?」などなど実際の投資委員会さながらの厳しい質問が次々と飛んできます。

VCICの特徴2:短期間勝負
このVCICは、お題発表から、対象企業へのデューディリジェンス、投資委員会への報告など全てが3日間で行われる短期間勝負のケースコンペティションです。業界分析、企業分析、リスク評価、デューディリジェンスの質問事項作成、企業価値分析、投資委員会への説明資料作成などに対して、MBAで学んだソフトスキル及びハードスキルを総動員して、チームで一丸となって取り組みます。

VCICの特徴3:参加チーム全てがフィードバックをもらえる
通常のケースコンペティションでは、決勝進出チームに対して審査員からフィードバックがもらえるというケースは多くあります。このVCICでは、全ての参加チームに当日のうちに審査委員から直接フィードバックがもらえます。しかもフィードバックをくれるのは、審査員を務める実際のベンチャーキャピタルということで、実務に即した非常に有意義な学びを得ることができます。まさに、至れり尽くせりのUNCが主催するケースコンペティションという雰囲気がします。

今回は残念ながら決勝ラウンドへの進出はなりませんでしたが、今後の課題が明確になった今回のVCICでした。また来年も挑戦したいと思いますので、アプリカントの皆さんも是非我々の一員として、もしくはライバルとしてこのVCICに参加してもらえればと思います。


投資委員会への説明。厳しい質問が矢継ぎ早に投げかけられる。


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