2014年3月29日土曜日

UNCリーダーシップ教育 ~Managerial Simulation ~


こんにちは、Class of 2015Shinです。
 

今回は、UNCのリーダーシップ教育について、”Managerial Simulation”という具体的なプログラムを紹介しながら、その魅力について書いてみたいと思います。
 

UNCがリーダーシップ教育に力を入れているのはアプリカントの皆さんもご存知だとは思いますが、「リーダーシップ教育って何?」「どんなことを学ぶの?」と思われている方も多いのではないでしょうか。確かにリーダーシップと一口に言ってもその範囲は広く、イメージを掴みにくい代物であることは間違いありません。

そこでリーダーシップ教育として行われている1つのプログラムに焦点を当てて、実際にどんなことをするのか、という紹介をしたいと思います。
 

すでに過去のブログに先輩方が書かれていますが、UNCのリーダーシップ教育の概観について少し触れます。
 

「過去のリーダーシップ関連記事」



 

1年生のModule1にはLeading & ManagingModule3 or 4Ethical Leadershipという必修科目があるだけでなく、2年生のModule4にはLeadership Immersionというさまざまなタスクを通してリーダーシップを磨く選択科目も用意されています。これらの他にLeadership Initiativeという必修コースがあります。このコースは、1年生のうちに開催される複数の認定プログラムの中から自分の興味あるものを自由に選択し、必要ポイント数を獲得すると単位が認められるという少し変わった必修コースです。認定プログラムの中には、企業トップのリーダーシップ経験について特別講義を聴講するもの、2年生のLeadership Coachとディスカッションすることにより自らのリーダーシップをどのように磨いていくのかアクションプランを立てるもの、実際のビジネス現場を再現したロールプレイの中でより実践的なリーダーシップを磨くものなどがあり、バラエティ豊富です。
 

このようにたくさんの認定プログラムがあるのですが、今回は、実際のビジネス現場を再現したロールプレイによるリーダーシップ向上を目指す”Managerial Simulation”の内容を紹介させていただきます。具体的な設定については、学校側がシークレット扱いにしているので詳述できませんが、イメージを掴んでいただければ幸いです。
 

Managerial Simulation2時間のプログラムで、その中で2回(130分程度・ビデオ撮影有)の模擬ミーティングが行われます。まず個室を与えられ、ある企業のケースを読んで情報・設定を頭に入れます。その後は、上司、部下、取引相手などさまざまな役に扮した担当者たちが個室を訪れ、今後の企業のあり方、部下の不満、企業内での自らの目標設定などを話し合います。私も初めは「しょせんロールプレイだし」と思って高を括っていたのですが、役に扮した担当者たちがあまりに迫真の演技をしてくれるので、一気に緊張感が高まりました。

・部下「今の自分の役職には満足していない。何とかして!」

・上司「目標設定の根拠を具体的に述べなさい。」

・取引相手「このままじゃあなたの会社との取引は…。」

など次々に問題が持ち上がります。それをケースの条件から一定の根拠を見つけ出しつつ、文字通りリーダーシップを発揮して2回のミーティングで解決の方向性を示し、カウンターパートに納得してもらわないといけない、という非常にタフなシチュエーションです。そもそも英語力に難がある日本人にとっては、なおさら辛いプログラムです。しかし、相手が目の前にいる11の状況ではそうも言っていられないので、ひたすら相手に説明し納得してもらおうと奮闘しているうちに、合計1時間のミーティングはあっという間に過ぎました。相手を説き伏せ、理想の形で終了できたかというと全くそんなことはないのですが、それぞれ立場があるカウンターパートのバランスを取って、どのように問題を解決するのかということを必死に考え英語で交渉したプロセスは、それだけでも自分を成長させてくれました。ミーティング後は、ファシリテーターと改善点・反省点を議論して終了となります。これだけでも充分なのに、プログラムはまだ終わりません。ビデオ撮影されたミーティングの様子を格納したフラッシュメモリと、ミーティングに出席してくれた担当者たちからのFeedbackシートをいただき、それをもとにプログラム中の自分の様子を客観的に振り返ります。「部下にそこまで気を遣わなくていい、時には厳しく命令することも必要だ」とか、「業績目標を立てるときは、相手の要求を鵜呑みにするのではなく、目標の実現可能性を判断し、無理なら目標を変更してもらう努力をすること」など実践的なアドバイスから、「交渉だからこそ焦らずゆっくり英語を話した方がいい」という話し方のアドバイスまで、Feedbackシートには自分では気付くことができなかったポイントが的確に示されています。その後、オプションではありますが、ミーティングに出席してくれた担当者たちともう一度会って、当日の様子に基づき改善点をアドバイスしてもらうことができます。

このようにシミュレーションを行って終わりではなく、Feedbackやフォローを実施してくれるきめ細やかな配慮がなされており、アメリカ人学生の間でも非常に人気の高いプログラムになっています。
 

リーダーシップというとなんだか曖昧で、どうやって学べばいいのか分かりにくいと思いますが、UNCにはこのようなHands-onプログラムが多数用意されています。企業内でのリーダーシップは今後ますます重要になってきますし、このようなプログラムに興味を持たれた方は、是非ともUNCを進学先の1つに考えていただけると幸いです。
 

日本は春の訪れをはっきり感じられる気候になり、皆さんの受験プロセスもそろそろ終盤に差し掛かっている頃でしょうか。最後まで悔いが無いようにあと少し、全力で走り抜けてください。また、本年度出願に向けてこれから準備に入られるアプリカントの方々は、くれぐれも体調に留意して頑張って下さい。
引き続きChapel Hillより皆様のご健闘をお祈りしております。

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