2013年11月29日金曜日

グローバルケースコンペでの優勝

Class of 2014のWoodyです。

先日、11月13~14日にシンガポール国立大学で開催されたGlobal Case Competition 「Cerebration 2013」のセミファイナル・グランドファイナルに出場し、世界中のMBA生650チーム以上の中から優勝を果たしましたのでその喜びと概要をご報告したいと思います。


ケースコンペティションとは、スポンサーである実企業が持つ経営課題に対して、各チームがコンサルタントとしてソリューションを構築し、その提案内容とプレゼンテーションの質を競い合うという、MBA生活における醍醐味のひとつです。実際のスポンサー企業や、他校の教授を前にしてプレゼンをしなければならないこと、また新たなネットワーキングや、レジュメでのアピールとして就職活動の意味合いもあることから、通常の授業で提出するケースレポートとは全く異なる真剣勝負の場です。
その中でも今回のケースコンペは、世界で最も参加者数の多い大会の1つで、16カ国にも渡る国々の上位MBA校が、3つのケース(Monsanto社、Lenovo社、Daimler Financial Services社)のうちの1つを選び、グローバル企業における新規ビジネスを創造するという非常に壮大なスケールの大会だったわけです。

振り返ればチームを結成したのは、夏休みを終えた今年8月の初旬でした。1年目を終え、教室内での議論を超えた新たな課題にチャレンジしたいという気持ちと、予選上位に入ってタダでシンガポール旅行をしたいという邪念が日本人同級生(2年生)と3名での参加を決意させました。
意気揚々とチームを結成し、実際のケースを読み始めた我々3人ですが、1次予選から苦難の連続でした。我々が選んだDaimler Financial Service社のケースは、新興都市におけるGame Changingなモビリティサービスを考案し、更に都市の形態によってカスタマイズ可能なものにするという前代未聞の提案課題。そもそも自動車業界や都市計画に詳しいものは誰もおらず、全てを一から勉強しなければなりませんでした。通常の授業を終え、家族との折り合いをつけながら毎週末のように深夜まで議論を繰り返すものの、なかなか納得のいく提案が浮かばず、夜中の3時に教室で途方に暮れていたのを今でも覚えています。

しかし、私達は、後に述べるような優位を活かすことができ、9月の1次予選(PowerPoint 4枚のExecutive summary) ・10月の2次予選(15分間のプレゼンビデオ)を見事通過し、上位9チーム(各ケースで3位以内)に選出され、最終的には、11月のシンガポールで開催された準決勝(ケース内決勝戦)、および異ケース間での決勝で優勝することができたのです。アメリカの大学に在籍する日本人が、ドイツの会社のブラジル戦略について、シンガポールでプレゼンを行うという若干奇妙なことでしたが、本ケースコンペの特徴である”グローバル”というのを示しているとも感じます。また、この成果は米国Yahoo News等にも取り上げられるにまでなりました。

とはいっても、私達はいわゆる普通のサラリーマンMBA生です。それが、University of North Carolinaとしてメディアで宣伝するほどの業績を残せるようになったのには、理由があります。

1.必修科目群で鍛えた基礎力
 上位3チームによる決勝戦では、運良く最初のプレゼンとなりました。つまり、他チームのプレゼンを見る幸運に恵まれました。そこで感じたのは、「ひょっとしたら勝てるかもしれない」ということでした。確かにある面を見たら我々は負けているかもしれない、しかし、総合力では勝てるかもとしれない、と思ったのです。
 UNCの必須科目群は、時には異常と思えるくらい、つらいことがあります。しかし、それを1つ1つこなすことで、自分の血肉となっていることを感じました。私達の提案は、事業戦略、マーケティング、ファイナンス、財務/管理会計、統計、ミクロ/マクロ経済、オペレーション、プレゼンテーションスキル、、、等々の必修授業で学んだことを織り込んだものでした。その総合力において、他大学チームを上回っていたと感じました。真に収益性と実現可能性を両立させようとしたとき。UNC Kenan-FlaglerのGeneral Managementは世界有数であることが証明できたと思います。

2.実践型プロジェクトで培った応用力
UNCの実践型MBAカリキュラムの1つに、STAR (Student Teams Achieving Results) というのがあります。この授業では、実際の顧客を相手にして半年間に渡り有償のコンサルティングサービスを行います。この実践型プロジェクトでは、MBA生と学部生とチームを結成して、コンサルタント(*)として思考・発表フレームワークと必修科目での学びを使って、現実の課題と取り組みます。
 今回のチーム3人全員はSTAR経験者でして、STAR同様、建設的な衝突と仮説思考/検証を繰り返して、game-changing, unique, scalable, feasible and profitableな提案を作り上げることができました。正直なところ、STARにおける私達は完璧から程遠く、むしろ右往左往するオッサンに過ぎないことが多かったです。必修科目以上に厳しい局面もありました。ただ、それを経験したことで、互いの強みを活かしつつゴールに向かっていく術を学ぶことができたと思います。
(*) コンサルタント非志望者にも大変お奨めのものです。
 答えが無い課題に対する取り組み方は、あらゆる職種に役立つはずです。
 実際、この本チームの全員が、コンサルタント以外の職種で働く見込みです。

3.UNCのチームワーク文化
 いくら基礎力があって、それを応用しても勝てるほど、このコンペティションが易しいものではありませんでした。審判が判断に困って、急遽、シンガポールでの準決勝に呼ぶチーム数を増やしたくらいです。
接戦となった2位チームとの争いで決め手となったのは、UNCのチームワーク文化です。上位3チームの争いは異ケース間での比較となる以上、プレゼンやQ&A勝負の分れ目とならざるを得ません。ベタベタの日本人にとっては、不利と言ってしまって過言ではないくらいです(*)。
しかし、シンガポールに行く前、直前の依頼であったにも係らず、多くの同級生が快くレビューに付き合ってくれました。アメリカ人マーケッター、インド人コンサルタント、韓国人エンジニア、、、厳しくて優しいアドバイスは、そのまま本番に役立ちました。決勝戦での容赦ない質問にも、真正面からも乗り越えることができました。彼ら無しには、優勝することは100%不可能でした。
(*)ちなみに、当方の英語力は、現地大学の非ネイティブスピーカーに
 「勇気が出る」と言われるほどのレベルでございます(笑)。

本日時点で、シンガポールから帰国して1週間以上経ちました。このケースコンペで感じた自分達の成長とUNCの素晴らしさを胸に、次なる道へチャレンジしていきたいと思います。

もし、あなたがスーパーマンやスーパーウーマンではなく、そして自分の殻を破りたい人であれば、、、UNC MBAは、あなたにとっての最高の大学となりえます。是非、UNCへのビジットやアプライを計画してください!

2013年11月20日水曜日

2013-2014キャンパスビジット関連情報:在校生の試験期間及び休暇期間について

2013-2014年の在校生の試験期間及び休暇期間についてご連絡します
以下の期間中は在校生が試験中であったりChapel Hillを離れていたりする場合がありますので、キャンパスビジットのご予定を組まれる際はご確認ください。また、授業は1年生も含め原則として金曜日が休みです。

  • 11/27~11/29: Thanks Giving
  • 12/16~12/20: Final Exams
  • 12/21~1/12: Winter Break
  • 3/6~3/8: Final Exams
  • 3/9~3/23: Spring Break
  • 5/9~5/10: Final Exams
Class of 2016Applicationもこれから年末・年明けにかけて佳境に入ってくると思いますが最後まで頑張って下さい。在校生一同、Chapel Hillにてお会いできることを楽しみにしています。

2013年11月15日金曜日

UNC Kenan-Flaglerが提供する学習支援体制について


 Class of 2015、MBA1年生 のMinoです。
 現在、MOD2に入り、授業スタイルがディスカッション主体となるなど、本格的なMBAプログラムが始まり、苦労しながらも多くのことを学んでいます。
 今回は、UNC Kenan-Flaglerが学生に提供する、学習支援体制について、ご紹介したいと思います。UNC Kenan-Flaglerには充実したバックアップ体制があり、MBAの授業について、現在、専門知識が不足しているなどの心配を抱いている方がいらっしゃれば、そうした心配にお答えできるかもしれません。

1.Canvas
 “Canvas”とは、MBA専用のポータルサイトで、講義で使用する資料や講義スケジュールなどがアップされています。Canvasのなかで特にご紹介したいのは、PANOPTOと呼ばれる、講義のビデオ映像です。ほぼ全ての講義がレコードされており、欠席してしまった場合や内容を復習したい場合に、非常に役立ちます。私も、授業の進行が早くてよく分からなった時などに活用しています。UNCに入学するまではこのようなシステムがあるとは知らず、ICレコーダーを持参しましたが、全く必要はありませんでした。

                      “PANOPTO”


2.Review session
 Review sessionとは、授業とは別の時間に授業の復習や質疑応答を行う機会のことで、1年生の必須授業には多くのReview sessionが行われます。授業の内容が十分に消化出来なかった場合や質問がある場合、こうした機会を活用できます。特に試験の前には多くの学生が参加して試験の最終確認に利用しています。

3.Tutoring Program
 さらに、MBAの2年生のなかからTutorが選ばれ、1年生の学習サポートを行ってくれます。Web上から簡単に予約を取ることができ、授業の復習や質問などに丁寧に答えてくれます。

 このほかにも、もちろん教授は授業中の質問に対して丁寧に答えてくれますし、教授のOffice hourも利用できます。UNC Kenan-Flaglerにはこのように学生を支援する体制が整っており、自分次第で授業の内容を大いに深めていくことが出来ます。もしMBAの授業についていけるか気にされている方がいらっしゃれば、(もちろん自らの努力が最も大切ですが)安心してUNC Kenan-Flaglerに来ていただければと思います。

2013年11月10日日曜日

Chapel HillのPreschoolから学ぶ、資金集めの取り組みと、それのMBA生活への応用

Class of 2014のKです。現在3歳の我が子は、現在2つのPreschoolに通っており、このPreschoolでは2歳から5歳までの子供を、短時間(3時間から4時間程)預かってくれます。この間に、子供たちは先生と、粘土で遊んだり、工作をしたり、外で遊んだりしています。このあたりは日本とあまり変わりませんね。

しかしここのPreschoolでは、親の負担になる月々のTuitionをなるべく低く抑えるために、様々な資金集めの方法が取られています。これが興味深かったので、紹介したいと思います。

まずは地域スーパーマーケットとの協力。Preschoolの保護者が持つスーパーの会員カードを、Preschoolと紐付けることで、スーパーが保護者の売り上げの一部(数%)をPreschoolに寄付するという仕組み。例えば、私がスーパーで$100買い物をすると、スーパーが$5をPreschoolに寄付するといった具合です。この取り組みは、Preschoolと親にしてみると、大変ありがたいのですが、保護者がカードを登録したスーパーで買い物をする動機にはなりにくいため、スーパーのメリットは少ないと思います。

次はSchool dinner dayの開催。特定のファストフード店で開かれるのですが、この日に特別メニュー(前回は緑色のスペシャルシェーク)を頼んだお客の売り上げの一部(数%)を、店がPreschoolに寄付するという仕組み。この日はファストフード店で小さい子供も遊べる企画などをPreschool側が用意してくれるので、家族でお店に行く動機になります。いつもは閑散としているお店が、この日だけは満員御礼どころか、レジに行列ができていたのには驚きました。お店にしてみると、数%の寄付をするとしても、売り上げが大きく立つので、十分なリターンが見込める企画だと思います。

最後は、買い物クーポンの購入依頼。親は特定スーパー(3つの中から選べる)の買い物クーポンを$200分購入しなくてはなりません。するとスーパーはそのうち6%($12)を学校に寄付してくれます。親は特定のスーパーで使えるクーポンを額面分だけ購入することになるので、特に損失は無し。しかし、スーパーとしては決まった額の売り上げを毎月確保できる上、顧客確保のきっかけを作ることができるため、スーパーとしてはメリットがあると思います。

実はこういったアイデア、学校生活にも生かすことができたりします。今、UNC Kenan-Flager Habitat for HumanityというグループのMarketing committeeで活動しているのですが、課題の一つがどうやって活動資金を集めるかということ。ここで集めた資金は、家が必要な家族に、無償で家を建てるのに使われます。家を建てるのだから、相当な額の資金が必要です。そこでの資金集めのアイデアに、Preschoolでの仕組みを使わせていただきました。

日本では中々こういった取り組みを見ることはありませんでしたが、違う文化の中で生活してみると、学校内以外でも学びの機会は多くあるものだと感じるものです。また、こういった学びは子供がいたからこそある訳で、家族に感謝せねばなりませんね。