2010年12月27日月曜日

留学報告書

サザンビレッジの斜面でスノーボードに挑戦した、USKです。

クリスマスの夜から朝にかけて雪が降り続き、20cmくらい積もりました。
南部とはいえ、東海岸から車で2時間の内陸に位置するので、寒いときはしっかり寒いです。年に2,3回はこれぐらいの雪が降ると現地の人に聞きました。

さて、冬休みの真っ只中でリラックスしていますが、社費派遣の身ですので、moduleを終えるたびに会社に留学報告書を提出しないといけません。そのmoduleで何を学んだか、社業にどう活用できるか、を書きます。テスト対策でいったん全力で覚えこんだ内容を、再度日本語でレポートにまとめあげるので、知識を定着させる上で良い機会になっています。
その中で、今回はOperationsのTakeawayを社業に照らしあわせてみました。

【例題】当社は広報用紙メーカーである。
以下の条件に対して、11年春に向けての最適な用紙生産量は何tか?
年に2回発行されるA県の広報紙。過去5年の用紙使用実績が下記のとおりであった。
'06春 '06秋 '07春 '07秋 '08春 '08秋 '09春 '09秋 '10春 '10秋
500t, 560t, 470t, 800t, 540t, 750t, 600t, 630t, 740t, 530t
(1回平均使用量:612t, 標準偏差:114.75t)
・営業利益:6,500円/t
・保管料:700円/t・月
・品切れ時には競合他社製品が使われる。
・品余り時には半年間倉庫で保管され、次回発行に使われる。

【MBA前の解法】
品切れしたら上司に怒られる。安全に見て800t作っちゃえ。

【MBA後の解法】
利益期待値の最大化を優先すべき。
品切れ時の逸失利益Cu=6,500円/t
品余り時の追加コストCo=700*6=4,200円/t。
利益期待値を最大化する生産量は下記の公式で得られる。
Cu÷(Cu+Co)=6500÷(6500+4200)=60.7%
Optimal Q=mean demand+normsinv(Cu÷(Cu+Co))×Standard deviation
=612+normsinv(60.7%)×114.75=612+0.272×114.75=643t
結局、過去5年の販売データから得られる傾向に対して、1回の発行に対する生産量は643tが最適である。
半年間倉庫に眠らしておくことのリスクが、最適生産量を抑制させている。
(ちなみに、上記公式は、Newsvendor Formulaとして知られ、キオスクが新聞を何部仕入れるかを判断する際に現実に用いられている。)

かなり極端な例ではありますが、
私自身、経験と勘で大雑把に対処してきた実務に対し、計算に裏打ちされた定石を持ち込むことが、MBA社費派遣の意義の一つであるように思います。

2010年12月16日木曜日

不動産系の授業等・・・

Class of 2012 のKです。

今週はModⅡのファイナル試験中でしたが、残すはあと1つとなりました。既に私は燃え尽きた感がありますが、最後まで気を抜かずに頑張りたいと思います。
ModⅠ,Ⅱと必修科目しか取れずにここまできましたが、来学期からはelectiveをたくさんとることができ(必修は1~2科目です)、多くの生徒がそれぞれの進路に合わせた科目を取ることになります。そこで、今回は私が専攻している不動産系の話を少しだけ紹介したいと思います。
もともとMBAか不動産学部修士かで迷っていた私が、最終的にUNCにしたのは、2つ理由がありました。1つは「MBAの中でも、特に不動産系の授業、活動が充実していること」でした。
UNCにはCRED(Center for Real Estate Development)という組織があり、そこを中心に授業だけでなく、研究、実業家とのネットワーク拡大等様々な活動をしております。学生はReal Estate Clubに入り、そこを通していろんな恩恵を受けることができます。たとえば、前回のゲストスピーカーの話でもありましたが、Real Estateも多くの実業家が事ある度にUNCに来てスピーチをしてくれます。あまり日本ではご存じないですが、ここチャペルヒルがあるノースカロライナのトライアングル地帯は、アメリカの中でもワシントンと同じぐらい早く不動産価格が下落から上昇基調に転じた地域であり、多くの不動産ファンドが存在しております(ファイナンスの世界ではアメリカ第2番目の都市とも言われているシャーロットにも多く存在しております)。つい最近は、地元の不動産デベロッパーが来て、昨年の開発案件の話を具体的に話してくれました。
授業に関しては、私もこれから取る立場ですので、あまり多くは語れませんが、今から楽しみなのがReal Estate Processという科目です。この授業は不動産系科目の中では基本とされておりますが、Hartzell教授が広いネットワークを活かして多くの実業家をアメリカ全土から呼びよせてゲストスピーチをしてくれたり、最新の開発案件を時間をかけて議論したりするとのことで、本当に楽しみにしております。また、この教授は非常に熱心で有名で、GIEに関しても、不動産専攻に関しては、教授自らが率先して毎年コースを作ってしまうほどです。私もまだ彼の授業は1つも取っていませんが、何度も教授の部屋に伺っていろいろと相談させて頂いてます。
その他、私に取ってありがたいのは、学外だと高い費用をかけないと受講(受験)できない様々な試験、コースをほぼ無料で取れることです。1月にはArgus Certificate講習(アメリカでの基本valuationソフトです。私は以前の会社でも使っていましたが、アメリカ人で不動産系の会社を目指す場合には必須のソフトです)をほぼ無料で受講いたします。また、2月にはLEEDと言われるグリーンビルディングに関したコースを受講いたします。これも無料です。普段の授業のない土日に開催されるため、なかなか大変ではありますが、ここまでバックアップしてくれる学校もなかなかないかと思います。
UNCにした2つ目の理由は、「sustainabilityにも力を入れており、不動産学部だけでは学べない視野の広い勉強ができる」という点でした。UNCはSustainability系の科目に非常に力を入れており、こちらもCSE(Center for Sustainable Enterprise)がなかなか面白い科目を提供してくれます。私が中でも今から楽しみにしているのが、Green Buildingに関する授業です。
と気づくと長くなってしまいました。さて、このへんで再度明日のファイナルに備えて勉強に戻らないといけませんので、今日はこのへんで失礼します。また何かの機会に、是非不動産系の話をもっと詳しくさせて頂きたいと思います。

2010年12月11日土曜日

Guest speakers

入学する前から話は聞いてましたが、大学に来る様々なゲストスピーカーもMBAの貴重な経験の一つです。彼らのビジネスと人生に対する考え方はとても参考になりますし、刺激になります。

先月上旬にはNike社のVPが来校し、マーケティング、スポーツビジネスについて話がありました。彼はNike史上最速で昇進し、現在はNFLビジネスのヘッドを勤めているそうです。しかも彼、イベントの前に、事前に選ばれた生徒15名と好きなこと何でも聞けるカジュアルな質疑応答の時間をとってくれたのです。

しかし実は悲しいことに同じ時間にとても興味があるScience companyの企業説明会があったので、講演には参加できませんでした。このように、勉強、extracurricular activities、キャリア、遊びなど本当に色々なイベントがあるため、限られた時間の中で優先順位をつけて最大限楽しむのはとても難しいです。

11月中旬にはGE LiveというGE社のCEOとChief Marketing Officerのイベントがありました。Michigan大学での講演にUNCとヨーロッパのビジネススクール3校、アフリカのビジネススクール1校がビデオで参加するというものです。CEOのImmelt氏は前からファンだったので彼の話をliveで聞けたのはものすごく嬉しかったです。組織学の重要性や同期のAtari社への就職のくだりは別のスピーチでも聞いたことがったので”こいつネタ使い回してるな”と思いましたが、人生で本当に自分が好きなことをやることの大切さを説いていたときは感激しました。

そしてつい先日、戦略論の最後の授業で飛行機のスタートアップの会社のケースの議論をクラスでしていたとき、教授がいきなり、「じゃあ(ケースの主人公の)CEOとスカイプがつながっているので今議論したことを提案してみましょう」といってビデオコンファレンスが始まったときはびっくり仰天しました。クラスの代表者がアイディアを提案し、最後には質疑応答の時間もありました。CEOが資金調達の大変さについて話していたときは、本などに出てくる起業家連中はみんなそう言うけど実際当事者から聞くとリアルさが伝わってきて、納得感がありました。

来年はGoogle社の財務担当VPが来校するそうなので今から楽しみです。

さて、そろそろ期末試験の勉強に取り掛からねば...。

2010年12月5日日曜日

Mod IIを振り返って

Class of 2012のKojiです。

Mod IIも授業を残すところ1週間となり、早くも期末試験への最終コーナーに差し掛かった感があります。尤も、グループワーク含め、課題は最後までびっしりと詰まっており足を止めることはできません。

やや早いですが、前回同様にMod IIを振り返って。

Mod Iでは確率・統計、組織行動・意思決定論、会計、金融(債券・株式価格論)といった企業活動を取り巻く一般的な評価ツールの基礎等を学んだのに対して、Mod IIではオペレーション管理、マーケティング、事業戦略といった、ビジネスのコアの部分での洗礼を受けています。金融もプロジェクト評価や企業の資本構成といった、企業活動により密接な分野が対象となっており、Mod Iとは比較にならない課題量もさることながら、金融のバックグラウンドを持つ身には馴染みの薄い分野で苦労が多いです。マーケティングや事業戦略は、2ヶ月という短期間に、基礎を包括的にカバーしつつ、ケース分析を通じて実践力も培うという非常に意欲的な構成となっていますが、過去ログに触れられているとおり、教授陣の指導意欲や工夫も相当なもので最後まで緊張感を切らせることはありません。

企業買収等のファイナンスでは、業界分析・企業戦略・シナジー評価や、在庫圧縮を通じた追加キャッシュフローの創出及びコスト削減を謳った膨大な量の報告書に晒されることも多々でしたが、金融マンとしては事業戦略、オペレーション・在庫管理、マーケティング等の分野は数字の裏側の世界として見がちです。Mod IIにて企業側に身を置き、ケース・スタディ等も通じながら、これらの分野がどれだけの経済的インパクトに繋がり得るのかを体系的に学ぶのは大変貴重な経験であり、ある意味、ファイナンスの分野よりも糧になる部分が多いと感じています。過去のブログにも触れられているオペレーションのシミュレーションでは、ちょっとした設定変更が一晩寝ているの内に取り返しがつかないことになってしまって随分と「痛い」思いをしました。。。。勿論、餅は餅屋で門外漢には限界がありますが、これからは同じ定性・定量的な企業評価でも随分と違った見方を得たような気がします。

話は変わってUNC Basketball。先日Kentucky戦を観戦してきました。強豪校との対戦とあって大盛況。シーソーゲームが続いた後に、数点のビハインドを最後の1分でひっくり返すというたまらない展開にエキサイトしてしまいました。観戦3試合目にしてカレッジ・バスケットの醍醐味を味わったような気がします。5度の優勝を誇る名門としては、今年も決して調子がいいという訳ではなく、この前のイリノイ戦ではあまりの自滅ぶりに解説者から「Do you know who you are?」なんて言われていましたが、こういう試合が見れるのであれば、また観戦に行こうという気になります。