2025年6月27日金曜日

米国での医療機関の受診

こんにちは、Class of 2026のKFです。
今回は、息子が突然蕁麻疹を発症したことをきっかけに、小児科を受診した体験についてご紹介します。アメリカの医療機関の仕組みは日本と異なる点が多く、いくつか気づきがあったので、同じように家族と一緒に留学している方の参考になればと思います。

かかりつけ医への受診

今回受診したのは、入学前の健康診断でもお世話になった Chapel Hill Children’s Clinic です。
https://chapelhillchildrensclinic.com/

アメリカでは、初診でもない限り予約がスムーズで、私の電話番号から息子の情報がすぐに確認できたようで、当日予約も問題なく取れました。

留学生の保険制度について

UNCのMBAプログラムでは、学生本人は大学指定の健康保険に自動加入となりますが、家族は対象外です。そのため、多くの学生は別途、家族用の保険を手配する必要があります。私の場合は勤務先の企業からの派遣留学で、会社が付保する海外旅行保険を家族に適用しています。保険会社に連絡し、現地提携エージェントを通じて医療機関にキャッシュレス対応が可能か確認しました(現地の保険会社が付保する通常の保険であれば、この手続きは不要だと思います)。

日本との違い

  • その1:初診時は複数の問診票に記載が必要
     こちらでは初診の際に8種類程度の問診票・同意書(自身・家族の病歴、
    生活歴調査票など)の作成が必要で、大変手間がかかりました。2回目以降は問診票の記入は不要で、看護師が症状をヒアリングしてくれます。

  • その2:診察後は自分から声をかける
     診察が終わっても、日本のように「○○さん、お会計へどうぞ」とは呼ばれませんでした。自分から受付に行き、「支払いをしたい」と申し出る必要があります。

  • その3:処方箋の扱いが異なる
     薬は病院で処方箋を手渡されるのではなく、「かかりつけ薬局」を指定し、病院から直接薬局に処方が送られます。私は特に指定していなかった(知らなかった)ので、前回の健康診断の際に、病院側が一番近くの薬局を登録してくれました。

  • その4:市販薬の扱いが違う
     処方された2種類の薬のうち1つは、スーパーで普通に買える市販薬でした。抗ヒスタミン薬やステロイドなど、日本では薬剤師からの購入や、医師の処方箋が必要な薬でも、アメリカではスーパーで手軽に購入できてしまいます。

費用と所要時間

診察自体は30分程度で終了し、待ち時間もほとんどありませんでした。
診察料は約$140、薬代は2種類で$30ほどでした。

診察後は近くにある美味しいジェラート屋さんでアイスクリームを食べて帰宅しました。ピスタチオアイスクリームがおすすめです。

https://www.lavitadolcecafe.com/




2025年6月11日水曜日

授業紹介 1Y Mod 1

初めまして、Class of 2026 のKFです。

2024年7月末に始まったMBAの1年目が先月終了しました。これまでに受講した授業を紹介していこうと思います。UNCのMBAは1年間が4つのModuleに分かれていますので、今回はMod 1の授業についてご紹介します。

Module 120248月~10月)

Financial Accounting(財務会計)

Financial Tools(初級ファイナンス)

Business Statistics and Analytics(ビジネス統計・分析)

Microeconomics(ミクロ経済学)

Marketing: Core Concepts and Tools(マーケティング)

概して、必修のコアクラスを担当する教授陣は、難解で、退屈になりがちな概念を分かりやすく、かつ面白く説明するスキルが非常に高いです。また、それぞれの科目が相互に関連している(統計分析がファイナンスで応用され、ミクロ経済学の原則がマーケティングに活かされている等)ため、MBAで学問を体系的に学びなおすことの利点を実感できました。

Financial Accounting / Mark Lang教授

 コカ・コーラ社の財務諸表を題材に、財務会計の基礎について学びました。米国と日本の会計基準は若干異なりますが、基礎は共通しています。現在受験している米国公認会計士試験の良い準備となりました。英語力でハンデがあるためグループワークでは毎回苦労しました。その場で考えていては議論のスピードについていけないため、課題に対する回答案を事前に作成することで何とかチームに貢献できました。

講義で扱った内容

Balance Sheet, Income Statement, Cash Flow Statement, Ratios, Pro Forma, Valuation

Financial Tools / Camelia Kuhnen教授

 ファイナンスの学問的な基礎概念と計算方法について学びました。内容は難解ですが、教授の教え方が上手く、最後まで興味をもって履修することができました。中間・期末試験の問題は大量の計算が必要でしたが、オープンブックの試験であり、教授のレジュメ(このまま本として売れるくらいのクオリティ)を持ち込むことで何とか突破できました。

講義で扱った内容

Basics of cash flow valuation, and personal finance applications

Bonds, Stocks, Options

Risk, diversification, and optimal portfolios

The Capital Asset Pricing Model (CAPM)

Cost of Capital: Capital Structure, Differences Across Business Units

Business Statistics and Analytics /Ali K. Parlakturk教授

 ビジネス上の意思決定に有効な統計学の手法を身に着けるクラスです。仮設検定や回帰分析などの手法をExcelで行えるようになり、初めは苦労したものの、有益な講義でした。Module 1の科目の中では最も実務に活かせる科目かもしれません。

講義で扱った内容

Sampling, Estimation, Hypothesis Testing, Regression Modeling

Microeconomics / Jesse Davis教授

 講義主体の授業で、需要と供給、価格弾力性などのミクロ経済学の基礎理論を学びました。また、毎回の授業の終わりには、ミクロ経済学の観点からウォールストリートジャーナルの経済記事を学生が要約して説明するパートがあり、実際のビジネスへの応用を重視するビジネススクールならではの授業でした。日本で学部時代に受講した経済学の科目と同等の内容を扱っていたはずですが、教授の教え方一つでここまで面白くなるのかと驚きました。

講義で扱った内容

Market Outcomes, Allocation, Production Costs, Pricing Power, Market Intervention

Marketing: Core Concepts and Tools / Kristopher Keller教授

 マーケティングの理論と実践の基礎を体系的に学ぶ講義です。3C分析や顧客の生涯価値(CLV)の算出を通じた市場機会の評価方法や、ポジショニングやブランド戦略の構築、効果的なマーケティング戦略の立案方法を学びました。ChaseやFitbitといった企業のケーススタディを通じて、現実のビジネス課題に対する分析の練習を行いました。また、Joe Gibbs RacingのPresidentをはじめ、実業界で活躍するゲストスピーカーの講演も複数行われました。

講義で扱った内容

Customers: Understanding and Valuing Customers (CLV)

Markets: Segmenting and Targeting (Conjoint Analysis)

Positioning & Branding (Perceptual Maps)

Pricing: Good, Bad, and Ugly Strategies (Value-based pricing)

Promotion: Integrated Marketing Communication

Product: Failure, Innovation, and Success (Break-Even Analysis)