2012年3月26日月曜日

MBA Exchange at ESSEC Business School



Class of 2012TIです。
私は1月の初旬より3ヵ月間フランスのパリ郊外にあるESSEC Business SchoolExchange Programにて交換留学中です。
2009715日の投稿に学校の紹介とフランスの教育システムについての説明がありますので、今回は私が現在履修している5クラスの簡単な紹介をしたいと思います。
Kenan-Flaglerでは基本的に1つの科目が週二回、80分間のクラスを通じて行われますが、ESSECでは1科目が週一回で、休憩を入れて3時間となっています。

Advanced Excel for Managers
エクセルの様々なファンクションを学ぶクラス。教授は数年前にESSECを卒業したばかりの若いフランス人男性です。Kenan-Flaglerで履修したエクセル関連のクラスやセミナーはFinancial Modelの作成に焦点が当てられていましたが、このクラスではエクセル関数自体とその応用が中心となっています。クラスの流れとしては、毎回始めに新しい関数とその説明が与えられ、その後残りの時間を使って、教授が準備したエクササイズを各自で行います。このエクササイズは売上げや顧客情報などのデータ処理的なものが多く、与えられるデータも結構リアルな感じです。これらの情報を教授が指定する形に纏めていくのですが、時間内に終わらせる事は難しく、いくつかの関数をセンス良く使いこなさないと上手く処理できないような作りになっていて、毎回深く考えさせられます。思ったよりKenan-Flaglerで履修したクラスやセミナーとの重複も少なく、それなりに勉強になっています。

Behaving in Public: a Training
人前でのスピーチの技術を磨くクラスなのですが、とてもユニークな内容です。教授は舞台役者の経験のあるフランス人女性で、ニューヨーク大学でも教えた経歴があるとの事です。授業は普通の教室ではなくジムのダンススタジオやステージのある講堂を使って行われます。まず授業の始めに30分以上かけて様々なストレッチや呼吸法、発声などのトレーニングを行います。その後は毎回様々なエクササイズを行うのですが、そのいくつかを紹介すると

·         7,8人のグループで即興演劇を行う
·         二人一組になり、一人が行った動作や表情をもう一人が鏡に映ったかのように真似する
·         一つの決められたフレーズを早口、叫ぶ、囁く、出来る限り甲高くなど、様々な方法で発声する
·         一人の生徒に対して、他のクラスメイトが次々に何かの真似(猫、ボクサー、フランス大統領など様々)をするように指示を出し、それに従って次々と物真似を行う
·         二人一組になり、一人が即興で実在しない言語を作り上げて身振り手振りを使って喋り、もう一人が通訳となりその内容を他のクラスメイトに解説する

これらはほんの一例なのですが、毎週クラスの後に感想や何を学んだかについて簡単なレポートを書いて提出するというのが課題となっています。

Français débutants
フランス語入門のクラス。全部で4レベルあるフランス語のクラス中、二番目のレベルのクラスで、多少フランス語学習の経験がある人向けといった位置付けのクラスです。私自身は少し齧った程度の経験しか無かったのですが、アセスメントテストの結果このクラスを取る事に。しかしこれが裏目に出てとても苦労しています。他のクラスメイトはそれなりにフランス語を勉強した経験がある人が多く、特にスペイン語やポルトガル語を母国語とする学生はフランス語の呑み込みがとても速くて、毎週付いて行くのがとても大変です。まあ、これ位プレッシャーを受けながら苦労した方が身に付くだろうと自分に言い聞かせて頑張っています。

Entrepreneurship
サウスカロライナのClemson Universityからの客員教授によるクラスで、アメリカMBA式にケースやプレゼンを中心に授業が進みます。しかしながら、クラスの大半を占めるフランス人の学生はまだ20代前半でインターンシップ以外には実社会での経験が無い事もあってか、クラスのディスカッションは盛り上がりに欠けます。
ケーススタディーの他には、

·         自分が興味のある業界から3社選んでそれぞれのビジネスモデルを比較してレポートを書く
·         自分でEntrepreneurを探してインタビューを行い、起業時の具体的なアクションや思考プロセスなどをレポートに纏めてクラスで発表する
·         ビジネスプランを作成し、その内容をクラスでプレゼンしてアイデアを競う

などのプロジェクトが課され、期末が近づくにつれて忙しさが増しています。

New Product Development
その名の通り新製品のアイデア作りの方法論的なものを、様々なエクササイズを通して学んでいます。このクラスの教授もアメリカ人なのですが、結構型破りなキャラクターの先生です。授業の前には教室でノリノリな音楽をかけて気分を高め、授業中にも際どい表現を連発する感じなのですが、これも型に囚われない自由な発想が必要とされる分野だからこそなのだろうと何だか納得がいってしまいます。教授の話の内容は結構面白く、楽しみながら聞き入ってしまいます。このクラスでもいくつかの課題が与えられるのですが、基本的に全てが4人編成のチームで行われます。それらの課題は以下の通りです。

·         賞金付き問題解決アイデア募集サイト(www.innocentive.com)の中から課題を一つ選び、アイデアを考えて実際に応募する
·         新商品のアイデアをまず25個分考え、クラスからのフィードバックを基に1つに絞込む。更にクラスで習った手法で消費者調査を行い、その結果を基に新製品のブランディングとポジショニングを考え、クラスで発表してアイデアを競う
·         教授が選んだ本数冊の中から一冊選んでそれを読み、批評レポートを書く
·         各自チェスを二回以上プレイする

これらの課題に加え、最後に期末試験が行われます。数多い課題をチームで進めるのは大変ですが、幸いチームメイトにも恵まれ、一緒に頭を捻りながらいろんなアイデアを出し合っています。


以上、全部で5クラスなのですが、あえて金融以外の授業を組み合わせました。私は金融中心のバックグラウンドで、Kenan-Flaglerでも金融関連のクラスを取る事が多かった為、そうした方がより視野が広がると思いました。

他にもパリの話題やヨーロッパとアメリカのMBAの比較、それに旅行の話など書きたい事は沢山あるのですが、今回はこの辺で。

2012年3月18日日曜日

Spring Break

こんにちは。Class of 2012のKです。
ただいまUNCはSpring break中で日本人在校生も含め多くの学生がここチャペルヒルにいません。ということで、今週はSpring break中の旬のチャペルヒルを写真を通して簡単にご紹介です。
これはUNCのビジネススクール。今は閑散としています。

校舎裏手にある桜(と思っております)の木。満開まではいきませんが、もうチャペルヒルは春真っ盛り。

これは梅の花でしょうか。あちこちで今が満開です。とっても綺麗ですよ。

平日昼時のフランクリンストリート。多くの学生がSpringBreakのため、こちらもなんとなく閑散としています。

こちらはUNCのゴルフ場。春を迎え芝の手入れ(エアレーション)真っ盛り。
春の陽気に誘われ、チャペルヒル残留組はあちこちでバーベキュ-。このステーキの厚さ、日本ではなかなか味わえないですよね。

 旬のチャペルヒルでした。。。

2012年3月10日土曜日

Japan Benkyo Association

Class of 2012のUSKです。

東日本大震災から1年が経ちました。
当時、日本の外で無力感に苛まれながら、
NHKニュースばかり見ていたこと、募金活動を展開したこと、
多くの同級生が、募金に賛同してくれたり「家族は大丈夫か?」と心配してくれたりしたことが思い起こされます。
被害に遭われ、今もご苦労されている方々に心からお見舞い申し上げます。

さて今回は、日本人在校生による勉強会について紹介させて頂きます。
ビジネススクールの公認組織としての登録はしていませんが、
Japan Benkyo Associationと称して、純粋に勉強を目的として活動しています。

活動趣旨は、
「業務経験を紹介しあい、日本の企業・業界についての知識を深めること」です。
在校生が様々な業界の動向に熟知していることをフルに活かし、
知ってそうで知らない日本ビジネスのことを勉強しよう、というものです。

昨年1月に発足して以来、学期中に月1回ペースで集まっています。
教室を使って、毎回一人が講師となり、プレゼン30分、質疑応答30分を行います。
プレゼンのアジェンダは概して、経歴紹介、会社紹介、自らが関わった課題解決、業界の将来展望と続きます。
通常のMBAの授業とは違い、鮮度の高い日本のビジネスケースに触れることができます。そして、各自が現実のビジネスケースの中で抽出してきた知見や経験則を聞くことができて、私にとっては貴重な学習機会になっています。
例えば、商社出身者からは、途上国貿易でのデフォルトリスク管理について、
人事管理経験者は、社員の世代構造の歪みによる弊害について、
通訳出身者からは、国際会議における日本企業文化の問題点について、
などなど、毎回、日本企業特有の問題点につながる興味深いテーマに発展します。
発表者にとっても、プレゼンの練習機会となったり、自らの来し方を再確認する良い機会になっています。

ありがちな日本企業だと、居酒屋で上司が「あの時はああだった」「この時はこうだった」と酔っ払いながら結構重要なビジネスケースを語ってくれます。が、聞く側も酔っていて詳細を覚えられないので、せっかくだからきちんとしたプレゼンの形で聞いてみたいものです。

2012年3月5日月曜日

Exchange Program

Class of 2012のNTです。
今回はチャペルヒルではなく上海からのエントリーになります。
2年目のModule3は、Exchange Programに参加しています。
現在、中国・上海にのCEIBS(China Europe International Business School、中歐國際工商學院)で2ヶ月間のプログラムに在籍中です。ここでは、交換留学の仕組みと、プログラムに実際に参加しての感想をお伝えしたいと思います。


<交換留学制度>

2年生になると、Exchange ProgramにApplyすることができます。
提携先は、LBS,HEC,IESE,IE,ESADE,RSM,ISBなどなど。1年生の春に第1~3希望まで選び、レジュメとレポートを提出します。UNCはExchange Programが大変充実しており、今年は提携校59校から、140スロット以上が受入可能となりました。クラスサイズが約280人ですから、単純に2人に1人が交換留学のチャンスがあることになります。これだけ受入数が多いので、第1希望から外れてしまっても、交換留学を希望する人はほぼどこかのプログラムには行参加できているようです。留学の期間やタイミングは受入先のプログラムによってさまざまで、秋学期に4ヶ月参加する人や、私のように春学期に2ヶ月参加する人などです。期間によって得られる単位数が違いますし、アメリカで就職する留学生はビザ切替えのタイミングもありますので、卒業単位を数えて就職活動の様子をみながらそれぞれ個人の状況に応じてプログラムを選んでいるようです。

蛇足ですが、受入先が多いということは、それだけ多くの留学生をKenan-flaglerが受け入れているということでもあります。Kenan-flaglerのfulltimeの留学生は全体の30%程度ですが、各semesterに30-40名の交換留学生がプログラムに参加していますから、実際はクラスの40%程度が留学生で占められていることになります。


<ただいま、交換留学中!>
そろそろ2ヶ月の交換留学が終わりに近づいているのですが、上海での経験を通して得られたことをご紹介したいと思います。

(1)中国ビジネスへの理解
CEIBSでは、中国ビジネスについて学ぶ機会が豊富にあります。授業やケースを通して中国ビジネス習慣を知ったり、マーケティングで中国の消費者動向についてグループでプレゼンテーションをする機会がありました。教授は中国人、フランス人、カナダ人など様々ですが、皆一様にそれぞれの専門分野で中国および中国以外のビジネスに精通しており、クラスのディスカッションでは、アメリカとアジアの違いに焦点をおいたディスカッションを巧みにリードします。また、アジア圏の中でも中国と日本の違いに言及するなど、上海という土地ならでは学びが得られるようにデザインされています。

(2)ネットワーキング
CEIBSのFulltime programは、中国国内のRankingでは1位(Bloomberg/Forbs)であり、Forbsのnon-US Rankingで5位になるなどと評判が高い学校です。Fulltimeの他にEMBAにも定評があり、Almuniネットワークに登録すると、Fulltime/EMBA卒業生へのアクセスができます。有難いことに、交換留学生もAlmuniネットワークに登録が可能なので、中国でのネットワーキングの基盤ができます。
また、同じプログラムに参加している交換留学生同士、飲みに行ったり旅行に行ったりと、短期間ながら絆が深まります。今回はKellogg,Ross,Darden,Kelly,Fuqua,Rotman,ISBから学生が参加しており、学校を超えた仲間を作ることができました。 もちろんライバル校であるDUKEとは何かと絆が深く、夕食会を開いたり、一緒にバスケットボールUNC-DUKE戦をバーで観戦したりしています。ゲーム観戦では、時差のために早朝ゲーム観戦となり、ビールが飲めなかったのが心残りですが…。
その他、上海在住のKenan-flagler卒業生との交流や、出身大学の集まりに顔をだしての日本人との交流など、たった2ヶ月とは思えないほど貴重な出会いを多くさせてもらいました。

(3)習慣・歴史・文化
まさに、百聞は一見にしかずです。アパートを契約したり実際に生活を始めることで見えてくる生活習慣や中国人の国民性、また、旅行や観光を通じて触れる中国四千年の歴史、街中どこでも食べられるおいしい食事など、短期ながらも実際に住んでみることで気づく魅力がたくさんありました。また、道を歩くだけでも次々と新しい発見や疑問があり、それをすぐにローカルの友人に聞いてさらに一歩踏み込んだ理解が得られるなど、やはり実際に「その国に行って自分で見て聞いて判断して得られる異文化への理解や価値観」というのは何ものにも代えがたい貴重な経験でした。



日本人学生はアメリカの学校に行く時点ですでに留学経験をしているので、そこからさらに短期留学することについては、個人それぞれの意見があるかと思いますし、行きたいと思っていても家族や就職活動などで実際は難しいということもあるかと思います。ただ、私個人としては今回の上海での留学経験で期待する以上に得るものがあったという経験を踏まえて、ぜひ2年間のMBA生活の選択のオプションとして、在学中の交換留学を検討されている方がいれば、ぜひ前向きに検討されることをお勧めしたいと思います。