2009年11月22日日曜日

Corporate Finance Concentration

Class of 2010のEvans2010です。

先日U26さんからEntrepreneurship Concentrationの紹介がありましたので、私の方からはCorporate Finance Concentrationについて触れてみたいと思います。

私は金融機関からの社費派遣ですが、Finance関連の興味ある授業を履修しつつGeneral Management Concentration(=特定の専攻を持たず幅広い分野の科目を履修すること)にしようかとも入学当初は考えていました。しかしながら、ひとことでFinanceといっても学問の分野としては非常に広く、自分の畑と異なればバックグラウンドが無いに等しい未知の分野も多くあること、また、入学して勉強をしていくうちに改めてFinanceの面白さ・奥深さに気づかされ、Corporate Financeを専攻することにしました。

FY Module IIまでのCore科目では比較的基礎的な内容に留まりますが、Elective科目では様々な授業が履修可能で、痒い所に手が届くような内容に触れる機会も多くあります。
なので自分の”畑”であっても、何気なく実務で使っていた数字の裏にある理屈なども学ぶ機会があり退屈することはないと思います。
例えば、Fundamental Principles of Corporate FinanceというFT Mod IIIで履修した授業にて、「Private companyの資本コスト計算における時価ベースのEquity valueを如何にして求めるか」ということがトピックになったことがありました。ValuationのMBA定番テキストであるMcKinseyのValuationに提示されているように、類似企業のMultipleを使って求める方法と、簿価ベースのD/E ratio(若しくは任意の妥当と思われるratio)を使ったWACCで一時的にEquity valueを計算し、その数字を使ってWACCを再計算して、最終的に数字が安定するまでそのプロセスを繰り返すIterationアプローチがあると思いますが、教授の結論は、後者はAcademicには推奨できない、ということでした。Iterationプロセスにおいて、D/E ratioの変化に伴うlevered βの修正が織り込まれていないというのが主な理由です。逆に言えば、その修正をModelに織り込めば問題はないと思いますが、前者にて対応するのが妥当であるとの考えのようです。 なるほど!と感銘を受けた覚えがあります。

前置きが長くなってしまいましたが、Corporate Finance Concentrationでは、core科目とは別途3科目の必修科目、及び指定科目の中から10.5単位(約7科目)の取得が義務付けられています。

必修科目
・Fundamental Principles of Corporate Finance
・M&A
・Financial Statement Analysis

指定科目
・Real Estate Process
・Real Property Decisions
・Real Estate Capital Markets
・Private Equity
・Topics in Advanced Financial Reporting
・Taxes in Finance
・Tax Strategy
・Complex Deals
・Introduction to Derivatives
・Advanced Derivatives
・Investment Banking
・Applied Corporate Finance
・Investments
・Global Financial Markets
・Governance & Financial Accountability
・Fixed Income
・Advanced Fixed Income
・Advanced Managing Turnarounds

Financeというくくりで言うと、バイサイドのInvestment Management Concentrationの方でも授業が提供されています(Hedge Fund Strategies, Quantitative Method in Financeなど)。

以前のT郎さんの投稿にもありましたが、ファイナンスを勉強したいという志でUNC受験を検討される方も増えるといいなと期待しています。

個別の科目についてはまたの機会に紹介させてもらいます。

Posted by Evans2010

2009年11月14日土曜日

Football vs Duke

Class of 2010のT'sパパです。1週間遅れになりましたが、11月7日に行われたFootballのDuke戦について書きたいと思います。

Footballは年に12試合しか行われないため、Dukeのように毎年試合をしている相手でも公式戦は1年に1回の対戦で、ホームでの試合は1年おきに行われています。昨年はDukeで試合が行われたためテレビ観戦だったのですが、今年はKenan Stadiumで行われるということで行って来ました。
お互いアメリカ屈指の強豪校のBasket Ballとは異なり、Footballはどちらの学校も今一つなのですが、今年はこれまでお互いに5勝3敗ということで、いつになく盛り上がっていました。

ちなみにUNC-Duke戦はVictory Bell(写真参照)というものを賭けて戦う試合であり、勝者が翌年までVictory Bellを保持する権利が与えられるそうです。いつも選手がスタジアムに入場する前に、チアリーダー達がVictory Bellを鳴らしながらスタジアムに入ってくるのが恒例です。1990年以降UNCは一度(2003年)しか負けていないためか、Victory Bellの土台はすっかりCarolina Blueに染められています。

さて、試合前にちょっと気分を盛り上げよう(&子供を外で遊ばせよう)ということで、Tar Heel Townという公式テールゲート(のようなもの)に行って来ました。ここではUNCのシンボルOld Wellからスタジアムまで歩いていく選手たちを握手をしながら見送ることができます。(写真はヘッドコーチのButch Davis)
またマーチングバンドもここでウォーミングアップをしていくので、遊びに来ているみんなの気持ちも自然と盛り上がっていきます。
娘は選手たちとハイファイブをしたり、大好きなUNCのマスコットRamses君と写真を撮ったり、Bouncy Houseで遊んだりと大満足でした。

試合の方はというと、前半は一進一退の展開で6-6のタイスコアだったのですが、後半になると我らがTar Heelsが調子を上げ、1タッチダウン・1フィールドゴールを加え、結局19-6で勝利をおさめました。Victory Bellはまたこれから1年間UNCが保持することになりました。

今日11月14日の対University of Miami戦が終わり、Footballシーズンもあと2試合となりました。でもこれからはまたBasket Ballの季節になります。夏の終わりから春までカレッジスポーツは長い期間私たちを楽しませてくれます。

Posted by T'sパパ

2009年11月13日金曜日

Entrepreneurship Concentration

Class of 2010のU26です。

先日、Mod3, 4のクラス登録が終了しました。早いもので、これがMBAプログラムで履修できる最後のクラスとなります。これまでのmodule(Kenan-Flaglerでは、各quarterをmoduleと呼んでいます)では、自分の興味を最優先して履修登録してきましたが、今回ばかりはそうも言ってられません。なぜなら、concentrationのrequirementを満たさなければならないからです。

Class of 2012の受験シーズンも本格化してきましたので、今回はconcentrationについて書いてみたいと思います。

Kenan-Flagler Business Schoolには大別して以下の7つのcareer concentrationsがあります:
Corporate Finance; Entrepreneurship; Global Supply Chain Management; Investment Management; Management Consulting; Marketing; Real Estate
ちなみに、Kenan-Flaglerの特色のひとつであるSustainable Enterpriseは"enrichment"と呼ばれ、concentrationとはみなされません。Sustainable Enterpriseは、どの分野で働く場合でも大事な考え方であって、それそのものが一つの学問分野である訳ではないという見方の表れでしょう。あくまで他のconcentrationを"enrich"させるためのものなのです。
また、Kenan-Flaglerではconcentrationを定めることを必須としているわけでもありません。プログラムオフィスも「視野を拡げるために、幅広く科目を選択しなさい」と言いますし、事実多くの学生が"General Management"と称してconcentrationを定めず、多岐にわたる科目を履修しています。

私の場合、将来的に自分自身でビジネスをしたいという想いがあることも事実ですが、何よりentrepreneurship系のクラスが面白いこともあって、entrepreneurshipを自分のconcentrationにするつもりでいます。が、このconcentration、requirementが結構厳しい。"Concentration Guide"によると、必修科目2つ(Introduction to Entrepreneurship, Business Plan Analysis)、Entrepreneurial Studies Interest Coursesに定められた15科目から最低5つ、Entrepreneurial Studies Skills Coursesに定められた18科目から最低5つ、合計12科目以上の履修が求められます。選択科目を履修できる6 modulesで12科目ということは、各moduleでentrepreneurship系科目を平均2科目以上取らなければならない計算です。何でも取れば良いというわけではないので、これはなかなか厳しい。。。

ともあれ、今回のクラス登録で何とかentrepreneurship concentrationは認められる目処が立ちました。面白い授業が目白押しなentrepreneurship concentrationの中でも特に気に入っているクラスを3つ紹介しましょう。

① Business Plan Analysis
1年生のmod4で履修できるクラス。1 module 14回の授業を2×7セットで構成し、各セットで1つのbusiness planを扱います。1セットの1日目は、事前に配布されたbusiness planを各自で分析したうえで、授業中にbusiness plan作成者本人から事業計画を説明してもらいます。2日目には、そのbusiness planを実際に評価したventure capitalist, angelなどの投資家が現れ、そのbusiness planの強み、弱み、投資判断のポイントなどを赤裸々に語ってくれます。「投資家が知りたいことは、いかに競争優位にあるか、経営陣がどのようなメンバーで構成されていて、持続的な成長を約束できるだけの見込み・実績があるか、にあるのに対し、business planの多くは、自身の技術、サービスについての情報が多すぎる。技術、サービスの詳細を延々と聞かされても時間の無駄である。」、「一日に何十ものbusiness planに目を通さないといけないわけだから、一つに割ける時間は数十秒。この数十秒で投資家を惹きつけることが出来なければ、ゴミ箱行きになるものと心得よ。」など、投資家の視点を理解したうえで、いかにbusiness planを作成すればよいかがつかめます。

② Launching The Venture 1, 2, 3
2年生のmod1からmod3の3 modulesにわたって、business planのfeasibilityを分析し、business planを作成して実際にventureを立ち上げるという、その名通りのクラス。UNC全学部の教員、スタッフ、学生に参加の機会が与えられているため、business ideaを持った人たちが月曜の夕方、一斉に集います。私が参加しているチームは、class of 2009の卒業生が持ち込んだbusiness idea。教授陣の審査を経て、現在"Launching The Venture 2: Feasibility"でマーケットサイズ調査、競合分析、カスタマーサーベイなどを行なっています。今modの終わりにはventure capitalistにプレゼンを行い、アイデアが認められれば、mod3の"Launching The Venture 3: Business Planning"に進むことが出来るという仕組みです。Business Plan Analysisと同じRandy Myer教授が担当するということもあり、BPAで学んだ内容を実際に試すことのできる良い機会となっています。

③ Business Demographics
アメリカをはじめとする先進国、中国などの発展途上国の人口動態が今後のビジネスに与える影響、またその変化から予測されるビジネス機会などについて議論します。この授業、3時間通しで教授のレクチャーを延々聞かされるのですが、扱う内容、出てくる統計データが大変興味深いため、退屈することは全くありません。例えば、「アメリカで最も平均所得が多い人種はアジア系(インド系がずば抜けて高い)であるにも関わらず、彼らをターゲットとしたビジネスの取り組みがほとんどなされていない。」、「Gay/Lesbian/Bisexual/Transgender(米国人口のおよそ10%)は、高学歴層に多く、平均所得が多いうえに可処分所得も多い(子供を生むケースが少ないため)。彼らをターゲットとしたビジネスとしてどのようなものを考えるべきか?」など、demographicsという切り口でビジネスを考えると、これまで考えもしなかったアイデアが次々と浮かんで、とても刺激的な3時間を過ごせます。
余談ですが、人口変化、教育水準、生活コストなどを基に"The Best Places For Business and Careers"をランク付けしたForbesによれば、Raleighが全米1位、Durhamが同3位とのこと。その他、Asheville(同6位)、Wilmington(同13位)、Winston-Salem(同18位)、Charlotte(同19位)など、North Carolinaの都市がTop20に6つもランクインしています。私たちの住むNorth Carolina、これから益々ホットになりそうです。

Posted by U26

2009年11月6日金曜日

ケースコンペ

こんにちは!初登場になります、Class of 2011のイゴ朗です。

渡米前に心配していた Module 1 を何とか乗り切り、無事 Module 2 を迎えることができました。Module 2 はMarketing, Strategy, Operation, Finance, Macroeconomicsの必修5科目なのですが、膨大な量のリーディング課題と苦手なWrite-upに早くもバテ気味の毎日を送っています。そんな中、タイ人の友人に誘われて、先日Case Competitionに参加してきましたので、その様子を書きたいと思います。

今回出場したのは Deloitte Case Competition というもので、まず複数のMBAスクールで予選を行い、その後、地区予選、本選へとつながる規模の大きなCompetitionでした(上位チームはDeloitteとのインタビュー権利をもらえるそうです)。せっかくMBAにきてるんだから1回くらい出てみるか、と誘われるがままに軽い気持ちで出場したものの、スケジュールを聞いてビックリ。金曜日の17時にケースを渡され、翌朝7時までにパワーポイントの資料を提出、8時からプレゼン、という徹夜確定のスケジュールで開催されるものでした。

各チーム4-5人で構成され、私のチームはタイ人男性、台湾人女性、アメリカ人男性のダイバーシティあふれる4人で臨みました。ケースの内容は、Professional Networking Service を提供しているLinkedinという会社が、Social Network Service の分野に進出すべきかどうか、また、プラットフォームをオープンにすべきかどうか、という二つの意思決定に関する内容でした。

留学生が多く、プレゼンに不安があったため、早めに資料を作り終えてプレゼンの練習に時間を割く予定だったのですが、いざふたを開けてみると意見がかみ合わず、時間が経つにつれ生産性も落ちてきて、しまいには議論をしている最中に寝てしまうメンバーもおり、結局資料を提出したのは締め切り5分前!ほぼぶっつけ本番でプレゼンに臨むことになりました。

結果は残念ながら第一ラウンド敗戦となりましたが、自分に足りない点(フレームワークの引き出しの少なさ、異質な意見をとりまとめる力、何よりも語学力!)を再認識することができ、出場してよかったなと思います。ただ、精神的にも肉体的にもきつかったので、もう一度出ようという気持ちになるまでもう少し時間がかかりそうですが・・・。

2009年11月5日木曜日

Reminder: 日本語オンラインチャット開催のお知らせ

Class of 2010のEvans2010です。

日本語オンラインチャットの開催が迫ってまいりましたので、下記再投稿させていただきます。

今年も日本人アプリカントの方々を対象にした、恒例の日本語オンラインチャット開催することになりました。

日時: 11/7(土)11pm~(日本時間) 同9am~(米国東部時間)

日本人在校生が、アプリケーション・インタビュー・チャペルヒルでの生活や卒業後の進路などについて、広く皆様のご質問にお答えいたします。

当校へ出願を検討されている方を対象としておりますが、2010年以降に出願を予定されている方のご参加も大歓迎です。インターネットに接続可能な環境がある方でしたら、どなたでも参加可能です。また事前登録も不要です。 受験仲間をお誘い合わせの上、ぜひご参加ください。

皆様とチャットでお会いできることを楽しみにしております。
詳細はUNC日本語HPをご覧下さい。

Posted by Evans2010

2009年11月1日日曜日

Professor MICHAEL ROACH


Class of 2010Zi-coです。
UNCには数多くの面白い授業がありますが、その中でも私のお気に入りの授業2つを紹介したいと思います。”Commercializing Emerging Science & Technology””Managing Intellectual Capital”という授業で、いずれもMichael Roach准教授によって教えられています。簡単に授業の内容を紹介したいと思います。
  • ”Commercializing Emerging Science & Technology”;ライフサイエンスやナノテクノロジーといった最先端の技術シーズをいかに商品化するか、について議論する授業で、技術ネタを持つスタートアップ企業が今後どのようなビジネスモデルを採用していくべきかなどについて、議論します。授業は、毎回、ある特定企業の実例を議論する形で進められ、最終課題として、任意の企業のビジネスモデルに対する提案書を作成します。我々のチームは、ライフサイエンスやバッテリー技術に応用可能なナノテク技術を持つベンチャー企業をピックアップし、CEOとの電話会議などを経て、同社の強み・弱み、今後取るべきビジネスモデルなどについて提案を行いました。
  • ”Managing Intellectual Capital”;ビジネスチャンス創設のため、および危機管理のために、知的財産(Intellectual Property)を含む知的資産(Intellectual Capital)をいかに管理すべきかについて、議論する授業です。こちらの授業は、まだ始まったばかりですが、アップルiTunesDRMDigital Rights Management)を用いた同社のビジネス手法や、シリコンバレーベンチャー企業の知的財産盗用について、法的観点も交えながら議論しています。また、先日は、米国東西の技術拠点である、シリコンバレーとボストンのベンチャー企業の文化的相違点や、CAMA両州の法体系の違いについて議論しました。こちらの授業も、最終課題として、特定企業の知的資本戦略についての提案書を作成します。
いずれの授業にも共通して言えるのは、同教授のきめ細かく熱心でまじめな性格(?)のおかげで、配布物やスライドが非常にうまく構成されており、教え方も秩序立っているので、複雑なケースなどもきわめて理解しやすいことです。さらに、同氏は、ヘルスケア分野での起業経験もあるため、実体験に基づく話は、とても興味深く、学ぶことが多いです。また、その端正な容姿とスマートな語り口から、女生徒からの人気も高く、同級生の韓国人女性は、それが履修の最大の理由だと言っておりました。
この授業、分野で言うと”Entrepreneurship”で起業家志望者向けとなりますが、私のような大企業の技術戦略について考えたい人にとってもお勧めです。
Posted by Zi-co